共業の解決

2014年09月04日(木曜日)

 この度の広島土砂災害で亡くなりになられました方々の菩提増進を心よりお祈り申し上げますと共に、被災された方々のお見舞いを申し上げます。
 自然災害は、我々人間の想像の域をはるかに超えた力で襲ってきます。大きな災害は、起こらないに越した事はないのですが避けられないことかもしれません。科学が進んだとはいえ、これを過信し、自然の恐ろしさを忘却することが一番恐ろしいことだと思います。それにしても、その様な事が起きる前にもっとしっかり、国が方針を固めて国民の安全安心を護って頂きたいと切に願っております。
この様な非常時において、火事場泥棒のニュースが耳に飛び込んできましたが、恥しらずにも程があると全く呆れてしまします。困った人に付け込んで全く嫌な話ですね。同じ血の通った人間でどうしてこの様な酷い事が出来るのかと悲しくなりますが、悪いニュースの一方で、純粋に奉仕の精神からボランティアを志してくる人も沢山いることを知ってほっとしています。このような悪事を働いた人達も、自分個人の利害のみを見て他人を見ようとしない社会全体の風潮が生み出したものと思います。悪事を働いた人達の行いを、他人事としてしまうのではなく自らの問題として受け止め、みんなの幸せこそ自分の幸せといった意識をみんなが共有するような社会に変えていかなくてはならないと思います。
 今の私にとっては精一杯祈ることしかできませんが、亡き精霊に対する祈りは当然ながら、共業の解決を説く法華経の教えに則って、共に罪障の消滅を祈り、社会全体のあり方を正す祈りを心がけています。日々のおつとめの中での総願のご回向に於いても、社会全体の罪障消滅を祈っております。私達の願いは、この地球上で起こる全ての罪の消滅にあります。世界全体の浄化などというと大言壮語の絵空事のようにきこえますが、その道のりは遠くとも、全身全霊で祈りを捧げれば、お題目の力によってよい智慧を生み出され実現されるものと確信しています。
 この日本の国に生れたことを私はとても有り難く思います。日本の中心であられます。天皇陛下は皇祖皇宗に対する報恩行として我々国民の幸せを毎日お祈り下さって、公益無私の菩薩行を御自ら御示しくださっております。私達は、この御心はかたときも忘れることがあってはいけないと思います。
一日も早く行方不明の方々が御家族のもとにお戻りになる事を心よりお祈り申し上げます。また重ねて亡き精霊の菩提増進をご祈念申し上げます。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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