通一仏土の妙相を現ぜんことを 憶念するのみ

2023年09月01日(金曜日)

 八紘一宇の実現、即ち、地球全体がひとつの家族のように睦み合う、そんな世界を作ろう。このことこそが私達の願いです。この目標の為には一人でも多くの同志を作らなければなりませんが、実際のところ、会員数は年々減る一方です。本会のみならず寺院もまた同じように檀家離れといった問題を抱えています。生きる上で仏教の必要性を感じていない人々が増えたのでしょうか。適切な布教活動をしていないのでしょうか。それとも、色々と社会問題を引き起こす新興宗教団体が話題になることから、宗教からは距離を置こうとする人が増え、布教活動自体が難しい状況にあるからなのでしょうか。こんな時代、これまでのやり方を抜本的に変えていく必要があると思います。
 八紘一宇実現の鍵は法華経の広布にあることは確かだと思いますが、仏教自体が権威を失い、宗教離れが進行している、この科学万能の状況にあって、法華経だけが正しいのだから唯ひたすらに信じなさいと叫んでも、そんな排他的なことをいうひととは付き合いたくないねと言われるのがせいぜいのところでしょう。
 法華経にどんなことが書かれているのか、そのことが現在の有り方とどのように関係するのか、これからの世界を切り開くになぜ法華経の教えが必要なのか、そういった基本的なことを自分自身でよく納得し、そのことを他の人にも納得してもらわなければ広まらないでしょう。これからは、そういった地道な活動が必要だと思います。世界人口八十億人の内仏教徒はたった7%しかいないのです。こんな現状を見据えた活動を考えていく必要があります。
 皆様よくご存じだと思います。大聖人は、法華経を弘める事で何度も命を脅かす迫害にあわれていますが、その事を憎むわけでもなく自身の過去に犯した罪の償いとして様々な苦難を受け止めた心がまさに法華経の教えだからです。大聖人以降、我々には沢山の先輩がいます。みなさまも記憶に新しいかと思います。映画「銀河鉄道の父」宮沢賢治さんも法華経の行者であります。本会会員の方で私もまだまだお会いしたことの無い方も沢山いらっしゃいます。この様な方々のお知恵を拝借することも大切だと思います。
 在家仏教教団の模範的な有り方を後世に残す意味でも保守的になる事は大事だと思いますが、現代に合わせた有り方を考えていく必要があるでしょう。法華経は本来多様な考えをそのままに活かすことを説く寛容的な教えだと私は理解しています。
 通一仏土の実現のために、色々な知恵を出し合って、法華経信奉の輪を弘めていきましょう。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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