日蓮聖人御降誕会を迎えて                

2025年02月01日(土曜日)

合掌

 妙宗大霊廟の蒼龍池も薄っすらと氷が張り、寒さが時折体に染みる季節となってきましたが、被災地で未だに困難な生活を強いられている方々を思いますと心が痛みます。ここよりはるかに寒く、雪に覆われているのですから大変なことであります、一日でも早く復興をして安穏な生活を取り戻して頂きたいと祈るばかりです。大事なご家族を失い、辛い中にも必死に日々の生活を続けている方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になった方々の菩提増進を心より祈っております。
 祈ることが出来るというのは、前にも申し上げましたが、とても恵まれた環境にいるという事です。ですからその環境で生きている事に感謝しつつ、恵まれない環境にいる方々に成り代わった心地で一生懸命にお祈りを続けていきたいと思います。
 さて、今月は釈尊の御入滅(十五日)、その翌日の日蓮聖人御降誕というまことに尊い御聖日がございますが、私たちは大聖人の教えを改めて振り返り、その意義を心に深く刻む機会としたいと存じます。
日蓮聖人は、鎌倉時代にあたる貞応元年(1222)二月十六日に安房国に生まれ、十二歳で清澄寺に入って以降研鑽にはげまれ、やがて仏教の真理、末法救済の唯一の教えが法華経であることを確信されました。「南無妙法蓮華経」を唱え、人々が真の幸福を得る為の道を示しました。日蓮聖人の教えは単なる宗教的信念にとどまらず。社会的な不正や苦しみに対しても声をあげ、行動を起こすことの重要性を教えてくれています。
 私たちの日常生活には、時に多くの困難や試練があります。しかし日蓮聖人の教えを胸に、何事にもあきらめず、努力し続けることで、より良い未来を創造する事が出来ることと思います。御降誕を祝うこの機会に、私たち一人一人が日蓮聖人の教えを心に留め、日々の生活の中で実践していくことをお誓いいたしましょう。そしてその教えを広める事で、多くの人々に幸福と平和をもたらせるように努めていきたいものです。
結 びに、日蓮聖人が私たちに示してくださった慈愛の精神を忘れずに、共に支え合いながら、信仰の生活を歩んでいきましょう。

南無妙法蓮華経



真世界巻頭言


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