2024年11月29日(金曜日)
去る10月27日、今年一年を締めくくる行事の一つである大祖廟輪番給仕が無事成満致しました。
輪番制が施行されて本会が勤める様になってから、57回目に成ります。参加者各位の熱誠なる護法心に衷心より厚く御礼申し上げます。
本会は、大聖人が「日蓮が弟子檀那等はこの山を本として参るべし。此れ即ち霊山の契也。」と仰せられたお言葉を胸に刻んで、率先して祖廟中心の運動を展開しておりますが、世間一般の傾向と同様に本会も高齢化が進み、参加者が年々減少の一途をたどっています。大聖人の御廟前でお題目をお唱えしつつ、たとえ人数が減ったとしてもこれからも毎年継続することを心に誓いました。
今年のお給仕においては以前よりも肌に暖かく感じましたが、これも地球の温暖化のせいかと思うと、この先の環境変化が案じられ恐怖すら感じます。近くで熊が出没したニュースを耳にしましたが、山に食べるものが少なくなったせいでしょうか。お供えの花を食べに祖廟の周りを行き交う鹿が目撃され、今回最高齢でご参加いただいた御方が「27回目の参加となるが、唱題しながら鹿の親子をみたのは初めてだ」と喜んでおられました。普段目にすることのない動物と遭遇するという事は、それだけ以前よりも自然が荒らされた結果であり、正直言って喜べる状況ではありません。
日本国のみならず世界で環境破壊が進んでいますが、これを食い止める運動に、会として取組む必要があることを痛感しました。これも大聖人からの御教戒か受け取られ、今回の大祖廟輪番給仕においての収穫です。人間同士の共存共栄は勿論でありますが、万物との共存共栄をも考えなくてはいけません。
私達人間は食物連鎖の最上位にあって、自然を護る責務が有ります。かといって、野生動物に立ち向かっても私達が出来る事は殆どなく人間の無力さを痛感するばかりです。我々が為すべきことは、動物達がしかるべき場所でしかるべき食が出来る様に、山の環境を変えない様に努めることです。熊が出て猟友会が射殺すれば済む問題ではありません。熊は殺される為に生まれてきた訳ではありませんから。我々の利便性を優先したが為にこの様な事が起きていると思います。ペットボトルなど、プラスチックのゴミが多く海洋に浮いていますが、これも海洋生物にとっては脅威であります。人間の利便性の為に様々な所で自然が犠牲になっています。このまま進むとしっぺ返しがあると思われます。深刻な状況に生じる前に取り組む必要があると思います。自然環境保全にも御門下一丸となって取り組んで参りましょう。
本年は元旦早々に能登半島が大地震に襲われました。その後一年を経過しましたが未だに通常の生活に戻れない多くの方々がいらっしゃいます。これからも被災者の方々に心をよせて行きたく存じます。
明年が皆様にとりましてより良き年となる事心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経
国柱会霊廟賽主 田中壮谷