品格

2014年07月07日(月曜日)

 先日来、都議会の場における議員のヤジ発言が大きく報道されていますが、あのような発言は、どの様な場面であれ、聞くに堪えない所業であり、発言した議員の品格が問われるべきだと思います。まして今回は、都民の代表として議会に選出された議員の発言であること、そして、それが公の場である都議会の議会上でなされたことを思うと、憤りを感じます。ヤジとはいえ、公の場で自分自身が発言したことについては、その責任を自覚してもらわないと困ります。何らかの考えがあってのことなら、話題になったその時点で堂々と名乗り出るべきでしょう。発言が適切、不適切に関らず、やはりしっかりと責任をもって行動して頂きたいと思います。政治家といえども人間であり、時には失言もあるかとは思いますが、その後の対応如何で品格が問われます。この様なことが重なると、国民の政治に対する関心がどんどん薄れていくのではないかと心配です。国民が政治に対して無関心になると言うことは、国益の損失につながる問題だと思います。
 これに関連して、私がイギリスに留学していた時のことが思い出されます。私のホストファミリーのお父さんが、民事の裁判で係争中に裁判所で不適切な発言をしたことにより、法廷侮辱罪で執行猶予もなしでいきなり刑務所に入れられ、その後、服役中に亡くなってしまったということを新聞で知りました。発言の内容は、誰しもがたったその様なことで、と驚くくらいの発言でした。その程度の発言で実刑を受けたことが話題となり、新聞でもとりあげたのだと思います。ことの成り行きが正当なものであったかどうかはさておき、このような事例から、イギリスでは、議会や裁判所などがとても重みのある所と考えられていることがよくわかります。これを参考にして、日本のあり方を再考すべきではないかと思います。
 都議会の議員さんといえば、都政を支えるべく一生懸命に昼夜を分かたず都に仕えてくださっている方々だと思い、つねづね心からの尊敬と感謝の念を抱いておりますが、今回のような事例を知ると、そのイメージが無残に砕かれ残念でなりません。私もこれからの人生で今回のことを他人事だと思わず、自分自身の問題として捉え、発言には責任を持っていきたいと強く感じました。人の振り見て我が振りなおせと言う言葉があるように、私もそうですけど他人の失敗をただ責めるだけでは無く、自身に置き換え、自身を見つめなおして、互いに品格の向上を目指していきましょう。
 最後に私は思います。男性も母から生まれるのです。女性をもっと敬う心を持つべきだと思います。

国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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