篤孝の心

2014年02月28日(金曜日)

聖訓に曰く、「未来の父母をたすけざれば外典の聖賢は有名無実なり」と。未来の父母をたすくるとは父母の未来をたすくるの義なり。死せる父母を忘れざるの心即ち生ける父母に篤き所以の心なり。
ただ父母のみにあらず、兄弟も然なり児孫も然なり六親眷属亦みな然なり。親を親しむは孝の横なり、父母に厚うするは親の縦なり。敬愛百行の道ただ一の孝に収まる。大なる哉孝。しかもその生においてするよりもその亡においてするに及びて大いよいよ大なり。至れる哉孝。
追善の仏事、追福の作善、人心の誠を尽し法界の大孝を暢ぶることを得るは、眞に仏教の賜物なり矣

 上記は、恩師田中智学先生が、国柱会の前身立正安国会機関紙『妙宗』において、明治41年1月に発表された御文章からの抜粋です。死せる父母を忘れざるの心。私は、この言葉に幾度となく救われました。以前に何度か「知恩報恩」という言葉について書かせていただきましたが、教えられている内容は同じであると思います。「孝の道」こそ、人の身を受けた私が仏身に至るまでの正道だと常に心がけておりますが、十分果たせず、内心忸怩たるものを感じている次第です。
 今月21日には、春季彼岸大供養会が執り行われますが、皆様におかれましては、「死せる祖父母、母、先祖を忘れざるの心」を持ってご参列いただきたくお願いします。お唱えするお題目にも先祖への感謝の気持ちを込めて、共にお祈りをささげましょう。
 妙宗大霊廟は、全ての精霊を仏の子として平等におまつりしてあります。この大霊廟では、ご自身のご先祖様へのお祈りも、納鎮されているすべての御精霊への供養に繋がっておりまず。その意味では、参列されるどなたさまも、御自身の先祖に祈りを捧げていただける尊い同志でございます。供養会におかれましてご家族以外の方がお隣の席に着かれることもあると思いますが、みんな、お互いに深い仏縁につながった、いわば親戚同士の間柄です。お互いに合掌でもってご挨拶を交わしていただけることを願っております。皆さまの厚い尊い志が互いに感応道交しあって、その法益は無尽に広がるものと確信しております。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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