国柱会創業百三十年慶讃

2014年02月28日(金曜日)

合掌
 新年あけまして、誠におめでとうございます。本年は、本会創業百三十年の慶讃の年であります。まず本年が世界全体幸せであります事を心よりお祈り申し上げます。
 さて本会の創始は、恩師田中智学先生の宣言により国柱会として新たに産声をあげた訳でございます。それは大正三年十一月三日の事でありますが、その時からさかのぼる事三十一年前に、国柱会の母体となる立正安国会が創業いたしました。そして今年が創業百三十年の節目でございますので、一度皆さまに国柱会創始の宣言を茲に謹んで掲げさせていただきたく存じます。

「吾人(ごじん)は茲(ここ)に多年の信行的経験に據(よ)り時世の適應に鑑みて、世(せ)出(しゆつ)両聖弘宣(ぐせん)の大猷(たいいう)を光揚(くわうやう)せんが為め、同志と共に國柱會を結成することを宣言す。
國柱會とは、専ら國聖日蓮大士(だいじ)の解決唱導に基きて、日本建國の元意たる道義的世界統一の洪猷(こういう)を發揮して、一大正義の下に四海の歸一を早め、用て世界の最終光明、人類の究竟(くきょう)救濟を實現するに務むるを以て正義と為し、之を研究し、之を體現(たいげん)し、之を遂行(すゐかう)するを以て事業と為す。
本會は、現代に於て最も進歩せる明確の主張を以て一世を指導すといへども、敢て新奇を競ふの意にあらず。遠くは皇祖建國の宣示を恢弘(くわいこう)し、近くは國(こく)聖(せい)開(かい)導(どう)の顯(けん)説(せつ)を擴(くわく)充(じう)して、之を國民思想の上に涵養(かんよう)孚成(ふせい)するもの、卽ち古(こ)を整へて新に應ずるに在り。
從來國聖日蓮の名を、單に宗門派の祖とのみ局(かぎ)り稱せしは誤れり、其『日蓮によりて日本國の有無はあり』との自信骨張の中には、何ものにも超勝せる最も堅固明白なる國體宣揚(こくたいせんやう)國運開發の大主張を持せるものなることを忘却すべからず、是れ本會が日蓮主義を以て、單に狹き宗敎的意義に限らしめずして、廣く國民的思想と為し、世界文明の唯一指針と為し、特に國聖の名を以て之を稱する所以(ゆゑん)なり、但これが落(らく)居(きよ)を宗敎的信念に歸したるは、狹き意味に取らずして、深き意味に取る。卽ち國民的思想として廣さに、宗敎的信念の深さを加ふるなり。再言すれば國體觀(こくたいくわん)念(ねん)に對し、深重(じんぢゆう)の内容を發揮したるもの、是れなり。
國家の眞性(しんせい)命(めい)を知り、人類の眞意義を味はんとするものは來れ。國柱會は此等眞摯(しんし)の自覺者に對して、直に強大なる國民性の安心(あんじん)信念を孚生(ふせい)せしめんとす。是れ
當然自覺すべき日本國民の天職なり、必然到達すべき人生の根本意義なり。
大正三年十一月三日  發起人 田中智學 敬白」

以上が創始の宣言でございます。報本反始と言う事を昨年申しあげましたが、今まさにその事の重要性を再度深く改めて心に刻む年と私自身思いまして掲げさせて頂きました。このうえは、より一層の努力をもって邁進していく所存でございます。全国同志各位様の本会事業に対し温かいご理解並びにご協力を賜りたくお願いを申しあげます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成二十六年正月
国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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