被災地熊本を訪ねて

2016年06月04日(土曜日)

合掌 
 熊本地震でお亡くなりになられました精霊位の菩提増進を虔んでお祈り申し上げますと共に、被災されました皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
 この度地震発生後、始めて熊本の地を訪問いたしました。空港に着きますと、空港内から被災地であるという事を肌で感じました。構内も様々なところの被害を受けておりましたし、飛行機から降り立つ方々は、復興支援の方がほとんどでございました。
 まず私は、震源地でありました益城町にお住まいの信行員でいらっしゃる、塚本様のお宅を目指して車のナビゲーションを恐る恐る設定いたしました。恐る恐ると言うのは、東日本大震災の時を思い出してしまったからです。目的地を設定しても、見覚えのない、なにも無いところで案内が終わってしまいます。住所は正確なのですが、御宅はもちろん土台すら残っていなかったのです。これには大きなショックを受けました。
 震源地に近づくにつれて被災家屋が目にはいってまいりますと「大丈夫かな。設定したナビゲーションの目的地はちゃんと存在するかな」という不安に包まれました。私の不安を余所に、お宅は半壊していましたが、ドアのチャイムを鳴らすとお元気なお声で塚本様が迎えてくださいました。
 被災地支援活動に関しましては、今の私には出来ることがないという不甲斐なさを実感し、悔しい思いが残るなか熊本を後にした次第でございます。ですが今回の被災地においてつくづく感じたことは、東日本大震災の時同様に、私には被災された方々と違い、祈りを捧げる余裕があるのだという事です。首都直下型の地震を受けた時に、果たして私には祈りを捧げる余裕があるのかと自身に問いかけました。その答えはまだ見つかりません。しかし祈りを捧げることが出来る私は、とても恵まれているという事に改めて感謝し、一日でも早い皆様の心の安穏を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷





真世界巻頭言


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