成仏は生きているうちに

2024年04月30日(火曜日)

 私の願いは早く成仏する事です。こんなことをいうと自殺でも考えているのかと言われそうですが、ここでいう成仏は亡くなることではありません。仏さまは真理を悟られその悟りを皆にも分ち与えるという菩薩行を実践されました。そんな仏さまのような人間に早く自分も成りたいというのが私の願いです。とはいえ、言うは易く行うは難しと言われている様に、菩薩行の実践はとても難しいですね。菩薩行の真似事を刹那に実践するのはそれほど難しいことではありませんが, その次の刹那には良からぬ心が芽生えてつい欲に流されてしまうのがつねです。継続する事は本当に難しいことだと痛感しています。その為も毎日罪障の消滅を祈っています。
 幼少の頃より、大叔母である大橋冨士子先生から色々な訓戒を給わりました。当時は残念ながら馬耳東風といった有様でしたが、そんな時、仏さまの教えは毛穴から入っているからいいのだと言われ、また、私が過ちを犯して落ち込んだ時には、諭すように煩悩即菩提だと言われたことを懐かしく思い出します。人を見て法を説けとよく言われますが、先生はいつも形にはまらず相手の心に合わせたお話をされましたが、このことはとても大切なことだと思います。まず悟りを求める事が菩薩行であるという事を先生から教わりましたが、先生の悟りの中には皆の心の有り方がそのままに含まれていたのかもしれません。
 先生にあっては、悟りと菩薩行が一体化されていたのではないかと思われます。菩薩行も悟りと一体化されることによって、長時間持続可能となるかもしれません。もっともっと自分の心を磨かなければならないと肝に銘じているところです。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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