東日本大震災から五年目を迎えて

2016年03月01日(火曜日)

 東日本大震災からまる五年が経ちました。大震災殉難の諸霊位に対し奉り、菩提増進を心よりお祈り申し上げますと共に、被災者の皆様のお見舞いを申し上げます。
 私は、以前から被災地にでかけ、震災地復興のためのボランティア活動に参加しましたが、先日、その時にお世話になった方からハガキが届きました。慰霊祭を兼ねての様々な企画の案内のハガキです。今では被災地の様子などがニュースとして報道されることはほとんどなくなりましたが、ハガキを拝見して、被災地の地域によって異なるとはいえ、全般的には復興の兆しが伝わってくるとのことを教えていただき、また、文面に皆様の頑張りと負けてたまるかと言う前向きな力が強く感じられ、喜んでいるところです。
 あの震災からはや五年の年月が過ぎましたが、最初に被災地に出掛けた時の凄まじい光景が、今でも鮮明に思い出されます。現地に着くまでの車中では、被災者の方々の為に、とにかく自分の出せる全ての力を出し切るぞという意気込みでしたが、被災地に着いたとたん、眼前のあまりの惨状さに打ちのめされ、今までの自信がすっかり失せて、恐怖さえ覚える様々な感情が行き来して、被災地に来たこと自体が自分のおごりであったと反省させられました。そんなおり、私の心を感じ取ってくださった被災地の方々から逆に勇気づけの言葉をかけていただき、初心にたちかえることができ、瓦礫の撤去作業に従事することができたことを忘れることができません。そのときから、月に一度と回を重ねて被災地での作業に参加させていただき、いろいろなことを学ばせていただきました。
 この五年の間私の想像を超える幾多の試練を乗り越えて来た被災地の方々、これかもたくさんの試練や困難に立ち向かって行かなくてはいけないと思いますが、そんな中でも私の様な一ボランティアにまで、この様な心のこもったハガキを送っていただいたことを心より感謝申し上げます。
 震災直後に給わった今上陛下のありがたいお言葉を心に刻んで、これからもずっと、同志の皆様と共に、被災地での慰霊の祈りを捧げ続けてまいりたく存じます。

南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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