憶年(おくねん)

2015年12月01日(火曜日)

 様々な出来事に心が休まることのない昨今ですが、平成27年も最後の月となりました。毎年のことながら、年の瀬を迎え、この一年を憶年しながら、来年こそはしっかりとした行動をしなければと心を新たにしているところです。
 本会は今年で131年を迎えました。先月は1050回目の例月供養会を厳修いたしましたが、同志の皆様のご協力のもと無事に奉行する事ができましたことを心より厚く御礼を申し上げます。
さて、皆様も御承知の通り、今年は終戦70年の節目の年でした。日本はこれまで、独立国家とは名ばかりで、諸外国に追随するばかりで過ごしてきましたが、この節目を迎え、これまでのあり方から脱却して世界平和に向けての独自の活動をしていかなければならないと思います。このためには世界平和に向けての道を織り込んだ憲法の改正が不可欠だと思います。地球上にはたくさんの人種が存在しますが、誰一人として、生まれながらに争いを好む人など存在しないと思います。育つ環境のなかで生じる様々な軋轢から、争いの感情が生まれるのです。先月のフランスのテロの事は皆様も記憶に新しいと思います。テロを生み出したのは憎悪でしかないと思 います。それに対する報復も憎悪です。報復の応酬は留まることがなく拡大し、やがては日本に波及するかもしれません。この負の連鎖から脱却するにはどうしたらよいのでしょうか? 残念ながら、私自身明確に又適切に具体的にそのことから脱却するといった答えを持ち合わせていないのが事実であり、祈りをささげることしかできていません。しかし祈りはいつか届くと信じ、生々世世の誓願でありますから祈り続けます。
 日本は人類史上初めての原子爆弾の被爆国となりました。この地球上に、このような悲劇が二度と起こってなりません。私達は、地球の絶対的な永久の平和を訴え、その事に対して何らかの行動を起こし、これを持続していく義務を背負っている国の国民なのであります。この重大な日本人の使命を忘れてはならないと思います。私達は、一切衆生のしあわせを願って活動された大聖人の教えを学び、その中で皆様と共に考え、何らかの方策をみつけ、できるところから共に行動を起こしていかなければならないと思います。
 江戸末期から明治維新までの間には、開国して様々な苦渋の選択があったかと思います。先人達は、今生きる我々の為に、それこそ「堪えがたきを堪え忍びがたきを忍ぶ」と述べられた昭和天皇陛下のお言葉さながらの精神が発揮されたからこそ、今日の日本があるのだと思います。私達も、テロを対岸の火事とみたてて日々安穏のみを願うことなく、子々孫々の百年後を考えて、地球の絶対的永久の平和の為に頑張らなければならないと思います。
 新たに迎える明年が、皆様にとりましてより良き年になります事を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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