建国記念の日を迎えて

2016年01月30日(土曜日)

 私達は、普段あまり日本人であるということを意識することなく過ごしていますが、ひとたび海外に出るとパスポートが必携となり、日本人であることを意識せざるを得ません。私が今日本人としてここに存在していることは、偶然の結果としか説明することができませんが、海外に出ていつも感じることは、私がこの美しい自然に包まれた平和な国日本に生を受け、そして日本人として育ってきたことの喜びであり、誇りであり、そして感謝です。
 今月11日には、「建国記念の日」を迎えます。この日は、建国をしのび、国を愛する心を養うことを目的として制定された国民の祝日の一つですが、この日を迎えるにあたって、この素晴らしい国日本を今後も持続するために、建国の根本意義に立ち返って考えてみる必要があると思います。
 私は、幼い頃から、日本建国の三大綱として、祖父から、「養正」、「重暉」、「積慶」といった言葉を何度も聞かされて育ちました。これらの言葉は、恩師田中智学先生が、『日本書紀』に書かれた神武天皇のお言葉
「蒙(くら)くして以て正しきを養ひ、この西の偏(ほとり)を治(し)らす。皇祖皇考乃(すなわ)ち神にして乃(すなわ)ち聖(ひじり)にましまし、慶(よろこび)を積み暉(かがやき)を重ね、多(さわ)に年所(とし)を歴(へ)たり」
からとり出されたものと教わりましたが、その精神は、「正しきを養い、慶を積み、暉を重ねる」、すなわち、普遍の正義を尊び、民生を豊にし、文化をさかんにして、平和な国土を実現しようと言うことであります。悠久の日本の歴史の中で、この精神が大事にされ続けてきたからこそ、現在のこの素晴らしい日本があると思います。現代の民心をみていますと、神武天皇の建国の精神からだんだんと遠ざかってきているのではないかと危惧されます。今後、この日本建国の精神に基づいて日本人らしく過ごすのにはどの様にしたらいいか、皆様と共に考えていきたいと思います。私自身の反省も含めて感じていますが、真の平和を導く国の民として、この建国記念日を、おおいに祝って、慶びを分かち合う日にいたしましょう.

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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