昭和天皇記念館創立10周年をお迎えして

2015年11月02日(月曜日)

 私は、現在、今は亡き祖父である香浦先生から引き継ぎ、昭和天皇のご聖徳を現代に伝える事を目的に設立されました昭和聖徳記念財団の評議員としてのお役目を拝命させていただいております。この度、昭和天皇の御聖徳を後世に語り継ぐため、この財団の最も重要な事業計画の一つとして建設されました昭和天皇記念館が、開館十周年を迎えました。
 この事業の推進に当たっては、様々な困難があったと伺っております。この記念館が開館されるに至るまでに、昭和天皇が崩御されて以来17年もの歳月を要したということ自体が、このことをよく物語っているものと思われます。私がお役目を拝命してのちにおいても、いざ建設という段階になって、建設業者に対する反対派の妨害がありました。めでたく落慶に至り、祝典の最中にも反対派が押し寄せてきて、物々しい機動隊の警備の中で式典が行われた情景が、10年を経過した現在においてもまざまざと思い起こされます。このような経過に想いを馳せるとき、この記念館の早期完成を最も待ち望んでおられた香浦先生に拝観していただけなかったことが、残念でなりません。
 私は、香浦先生から、昭和天皇の大御心なくして現代はないことを、ことあるごとに教えられて育ちました。実際、この記念館を訪れると、そのことがよく理解されます。一人でも多くの方が来館され、昭和天皇が国民のためにいかにご尽力されたかを知っていただきたく、切に願っております。昭和52年生まれの若輩の身ではありますが、昭和天皇の御聖徳を後世に正しく伝えていかなければならないと、その使命感に燃えております。そのためにはどのような方策があるか、皆様とともに日々考えてまいりたいと存じます。
結びに天皇皇后両陛下並びにご皇室の弥栄をお祈り申し上げます。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


ページの先頭へ