多事多難だった本年を送るにあたって

2011年12月07日(水曜日)

 合掌 本年は、大震災をはじめ、国土を汚す放射能問題、更には近隣諸国からの圧力等々、まさに、日蓮聖人が『立正安国論』に書かれた通りの末法さながらの様相を呈した多事多難な一年でした。この世に神も仏もないものかと、嘆き悲しんだ人も少なくなかったのではないでしょうか。このような世相にあっても、天皇皇后両陛下はじめ皇族の方々は、常に我々国民に心を懸けられ、過密なスケジュールの中にもかかわらず、御自ら被災地へと出向かれ、我々国民に励ましの御言葉を掛けられました。陛下の御言葉によって、被災地の方々だけでなく、私達国民みんなが勇気づけられました。今でも時折その時の光景がテレビに流されますが、思わず涙が出てしまいます。我々国民は、陛下の御徳によって護られていることを、いまこそしっかりと認識する時だと思います。天皇陛下始め皇室では、我々国民の事を「大御寶(おおみたから)」と仰せられ、その伝統は、万世一系の皇室に脈々と受け継がれております。その御皇恩に、我々国民が如何にして報いるべきか、常に心がけて行動しなければならないと思います。陛下がご体調を崩されたと知ったときには、私がもし世界一の名医なら御恩返しもできたものをと、身の不甲斐なさをただ嘆くばかりです。ただ私に出来る事は、陛下の御病状の御平癒を祈ることのみです。全身全霊でもって、毎日陛下の御病状御平癒をお祈り申し上げております。同志の皆さまも、どうか、ご家庭で同じ祈りを御捧げ下さいます事を心より願う次第でございます。
 私は、震災以後復興に貢献したいと志し、微力ながらその実践に努めておりますが、惨状は一向に回復されないままです。その原因は、国に対する国民の精神が統合されず、てんでバラバラであるからだと痛感します。みんなが一丸となって協力しあわなければなりません。みんながそれぞれに尊い志をもっていても、その中心に帰一することがなければ、ことは成就しません。その果ては逆に混乱を招き、国の災いへと発展する懼れがあります。その様な事になる前に、我々国民の中心統一の意識をしっかりと持つ事が大切ではないでしょうか。
 来たる12月23日には、天皇陛下におかれましては78回目の誕生日を迎えられます。天長節には、我々の当然の務めとして、国民が陛下の御祝いに至誠の祈りを捧げ、国民が一体となって国難を乗り切る事を誓う日としたいと思います。
 最後に、天皇陛下寶祚延久玉體聖慮御安康並びに皇室の御繁栄と共に陛下の御病状御平癒を心よりお祈り申し上げます。

国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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