「絆」

2012年04月09日(月曜日)

 昨年の日本を象徴する言葉として「絆」が選ばれましたが、確かに震災当初は、各地で被災地の方々を思い各地で芽生えた様々な絆が生れた事と私自身感じました。しかし一年がたってみますと、その言葉の重みが幾分か軽くなってしまったと感じるのは、私だけでしょうか?未だ生活再建のめどが立たずに困難な生活が続いている被災者が多勢いらっしゃる被災地に於いては、震災発生当初の絆の重みは、何ら変わる事はなく、互いに助け合うまさに「絆」の言葉通りの生活があります。
 ニュースで伝わる被災地の瓦礫受け入れ問題については、本当に切実な問題だと思います。一向に処理の進まない瓦礫が山積みですし、未だに瓦礫の撤去作業が済んでいない震災当初の儘で手つかずの現場も沢山あるのが現状でございます。今一度「絆」という言葉に思いを結んで頂きたいと切に願う次第でございます。震災一周年を迎えた三月十一日には、各テレビ局が特別番組を組み沢山の芸能人をゲストに招いておりましたが、二日も経つと各局は、震災の事には触れずに様々なバラエティー番組を組んでいます。
 今上陛下から賜ったありがたき御言葉「国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。」
私自身陛下の御言葉を拝しこれからも国民の一人として出来る事を続けていきたいと思いを改めて深くした思いでございます。
 3月4日に、日本会議が主催した宮城県の慰霊祭に出席させて頂きました。多くの被災者の皆様がご出席されて、何方もとてもつらい経験をされてきた方々ばかりでございます。私は、被災者でも無いのに式典の間中涙が止まりませんでした。一年を振り返ると被災してもいないのに涙ばかりを流していたと思いました。私が涙流しても復興には結びつく訳でもないのにと深く反省をいたしました。これからは先の反省をもとに、皆さまの代表として恥ずかしくない様に被災地に於いて一生懸命出来る事実践して参ります。


国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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