東日本大震災殉難諸霊位三回忌を迎えて

2013年03月23日(土曜日)

 東日本大震災で亡くなられた方々の三回忌を迎えるに当たって、まず諸霊位の菩提増進を心よりお祈り申し上げます。また、大震災が起こってから今日に至るまで、及ばずながら私もボランティア活動に参加させて頂きましたが、その際に私を温かく迎えてくださいました被災地の方々に、深く感謝を申し上げますと共に心よりお見舞い申し上げます。
 被災に際しては、今上陛下から「被災者のこれらからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心寄せ、被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。」といったお言葉をいただきましたが、国民の一人として、私自身どれだけのことが出来たのかと振り返りますと、その成果の少なさにただ恥じ入るばかりです。
 被災地でのボランティア活動においては、時には、気持ちばかりが先行してしまい天候不順で中止の指示が出たにも関らずに作業を継続して、被災者の皆さま方に逆に心配をかけてしまったり、時には、感情のコントロールがうまく出来ずにところをわきまえることなく涙を流してしまったり、反省すべき所ばかりが思い出されます。海外から来て、継続的に支援をされている方々も目にしましたが、もっとがんばらなくてはと、身の引き締まる思いがしました。多くの支援を続けて下さっている海外の方々には篤く御礼を申し上げます。
これからも、反省すべき所をしっかりと反省し、国民のひとりとして、新たな復興の道のりをしっかりと着実に歩を進めていくことを御誓い申し上げます。我々法華経を信仰する者の大先輩であります宮沢賢治さんは「雨ニモマケズ」の詩のなかで、「行ッテ看病シテヤリ」、「行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ」等々、「行ッテ」という言葉で、身を運んで実践することを私達に呼びかけています。この「行ッテ」は、法華経の行者としての教えを、私の様な凡夫にも解るように要約してくださった言葉だと受け取っています。今後もこの言葉を肝に銘じて実践していくことを心に期しています。

 ボランティアに参加して汗を流すこと以外に、なにか被災地に赴くこと以外にも貢献できることがないかと色々と考えています。その一環として、今回多くの同志からの提案を受け、本部事務局の協力により、法華経の写経と埋経、並びに慰霊の為の御題目碑建立等の活動を起こそうという運びになりました。詳細は、本誌の事務局から御案内がありますので、御一読賜れれば幸いに存じます。
 
南無妙法蓮華経

国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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