我らと衆生と皆共に仏道を成ぜん

2010年07月03日(土曜日)

私達の毎日の御修行においては、祈りの結びに導師が
 「願わくはこの功徳を以って普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆共に仏道を成ぜん」
とお唱えします。これは『法華経』の「化城喩品第七」において、大梵天王たちが、大通智勝如来に宮殿を供養して礼拝讃歎して説法をお願いする場面で述べたことばのなかの一節ですが、このなかに、私達の願いがよく表現されているように思い、導師を勤めさせて頂くときにはいつも、心をこめてお唱えしています。
 法華経では、「皆成仏道」(みんながこぞって、真理を体得した仏になること)が説かれています。大聖人はこの法華経のこころを身に読まれ、多くの迫害に遭いながらも、「一天四海皆帰妙法」、つまり、すべての人々が法華経に帰依して、地球上に仏国土を実現させるために、力のかぎり努力されました。大聖人の教えを信じる私達の目標も、この「一天四海皆帰妙法」にあります。上に掲げました一節をお唱えするたびに、「この目標に向けて何かを行うそのことの功徳が一切の人々に及んで、みんなと共に素願を達成しましょう」と語りかけられているように思われ、ささやかながらでも功徳を積み、報恩感謝のまことを示さなければならないと、誓いを新たにしております。
 さて今月は8日に顕正会そして16日に宣正会の御聖日を迎えます。顕正会は、大聖人が佐渡において私達の信仰の対象である御本尊が顕発された日であります。宣正会は、大聖人が「立正安国論」を鎌倉幕府に奉進された日です。いずれも私達にとって大事な日です。各局あるいは本部で行われる慶讃法要に参列しましょう。
 また、15日には、本部において、盂蘭盆開顕大供養会が行われます。盂蘭盆というと、一般に、死後の苦悩世界にいる先祖の霊を救済する日とされているようですが、先祖の本当の願いはやはり「皆成仏道」にあり、先祖の霊は、私達の素願「一天四海皆帰妙法」の実現によって救済されると思います。この日を、御先祖様への報恩行として、素願達成の誓いの日としましょう。

国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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