一心に仏を見奉らんと欲してこころを込めて祈りましょう

2010年06月06日(日曜日)

 皆様も日々御修行に励んでおられると思いますが、国柱会本部では、毎日欠かさず、午前11時30分から正中法座を行っております。法座は、全体を通じて一瞬たりとも気が抜けないとても大事な時であり、法座のいずれの動作もおろそかにできませんが、とりわけ「三秘礼」は、こころを込めて行っております。今回は、礼拝について少し書かせて頂きたいと思います。
 三礼の礼拝は、両手を合わせたのち掌を開いて、頭を下げ上半身をかがめて、「頂足」の姿勢をとります。「頂足」というのは、自身の掌に仏さまのおみ足を頂く事です。この時に一番気を付けないといけないのは、掌を平らにすることです。つい気を許しますと、手のひらは傾いてしまいます。これでは、仏様がひっくりかえってしまわれるかもしれませんね。常に仏様を意識して、すこしでもお役にたちたいと願って礼拝しなければなりません。このように、こころをこめておみ足を頂けば、掌も自然に平らになると思います。人によっては、仏様を遠い世界の存在ととらえ、意識するようにと言われても意識のしようがないと言われるかもしれません。しかし、それは思い違いです。仏様はいつも私達の身近におられ、つねに私達を導いて下さる存在だと思います。私が一番身近に意識する仏様は母であります。母は亡くなりましたが、私がなにか困ったことに出くわすたびごとに意識にのぼってきて、いろいろと助けてくれます。よく観察すれば、仏様はすぐ間近におられ、さまざまに形をかえて私達を導いておられることに気づきます。自分にとっての一番身近な仏様を心に描いて、そのお方のおみ足を頂くのだと意識して礼拝をしてはいかがでしょうか。「一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜しまず」といった金言がありますが、礼拝とはこのことの表現であり、仏様に報恩感謝の気持ちを捧げることだと思います。常に仏様を意識して共に祈り、立正安国の願業成就に向けて一歩前進しましょう。
国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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