建国記念日を迎えて

2017年02月02日(木曜日)

 言うまでもないことですが、今月11日は建国記念の日であります。いつも感じることですが、この日を迎えるにあたって、国民こぞってお祝いするという雰囲気があまり感じられないことが残念でなりません。日本の伝統とは全く関係のない欧米諸国から入ってきた文物には、魅力を感じて皆競って飛びつきますが、この我々が生を受けた国日本の素晴らしさ、そしてその国の始源に想いを馳せる人があまり多くないのが現状です。しかし、それもお国柄かもしれません。諸外国では、異なった文明をもつ国がぶつかるとき、血まぐさい争いの末、一国が他国を亡ぼす歴史が繰り返されています。これに較べて日本は、新しい文物に対し、そのエッセンスを競って取り入れ、それらをよく消化し融合させて新しい国づくりに生かし、変革を繰り返しながらも、連綿として歴史を重ねてきました。2月11日は、この素晴らしい国日本の建国に想いを馳せる日です。皆様、もっと積極的にお祝いしようではありませんか。
 私は、この月で四十歳になります。この十年を振り返りますと私自身皆様のご厚意に甘えるばかりでした。三十歳の年に母を亡くしましたが、その後多くの方々が、私の境遇を憂いて支えてくださいました。これからは、私自身しっかりとして、皆様のこれまでのご恩に報いる四十代にしたいと思います。まだまだ本当に力不足でありますが、いつしか国恩に報いることが出来る様に、日々成長していけたらいいと、建国の月に因み新たな誓いを立てさせていただいた次第でございます。
 祖父であります田中香浦先生は、『徳ある国を理想としてきた日本の心』の中で、日本書紀の神武紀に書かれた内容をもとにして、神武天皇の建国は皇祖天照大神以来の平和理想を継承するものであると述べられています。その精神を「正しきを養い、慶(よろこび)を積み、暉(かがやき)を重ねる」建国の三大網として、本会創業より重んじてきました。今改めて私自身の身の振る舞いを振り返る時、先祖に申し訳なく反省させられます。これからの十年、五十を迎える建国の月を迎えるに当たっては、胸を張って立派な日本人と言える様に頑張りたいと存じます。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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