東日本大震災から満六年を迎えて被災者七回忌法要を厳修

2017年04月01日(土曜日)

 多くの方が亡くなられ、更に多くの方々が暗闇の中で度重なる余震と凍てつく寒さを堪えて不安な日々を過ごされました、あの悲惨な東日本大震災から早くも六年の歳月が流れました。未だに様々な未解決の問題が山積している状態です。そんななかで、前向きに色々な事に挑戦し、復興に向けて努力されている方々も多く、とても素晴らしく美しく感じます。震災孤児となってしまった子供達も、あれから六年の歳月を経て、大きく立派に成長されたと思います。これから先幸多かれと祈るばかりです。
 大切な人、大切な物、全てを失いながらも、共に助け合う人々の姿には心打たれます。私は、この震災で亡くなられた方々の追善供養の為、写経をして埋経し、お題目碑を建立しましょうと呼びかけましたが、多くの方々が賛同して下さいました。七回忌を期日に建立を目指しておりましたが、残念ながら、未だに建立地が決まっていません。皆様から頂いて写経は、今、正境大本尊の仏子の間にて大事に保管させて頂いております。一日も早いお題目碑の建立を期している次第です。
 被災地でしばらくボランティア活動をしていましたことから、よく様々な活動のお便りが届きますが、先日も、「これまでと、これから。」と言ったお葉書を戴きました。どの自治体もみんなで協力し合って前に進んでいる姿がとても頼もしく感じられました。今になっても私は、被災地の方々に助けられているなとつくづく感じました。被災地に初めて入った時の事が思い出されます。人間一人の力があれば何かしらお役に立てる事があるだろうと意気揚々と東京を出発したのですが、着いたときには、あまりの凄さに涙しかでず初日は何もできなくて、被災地の方々から、来てくれただけでも有難いと逆に励まされてしまった事を忘れることができません。いつまでも臆病の私ではいけないのだ、できる事を精一杯頑張らなくては、と思いなおす力をくださったのは被災地の方々でした。
 日本の国が纏まって今迄以上に復興に力を合わせなくてはいけないときに、国会中継をみていますとがっかりいたします。過去の責任の擦り付けあいばかりで、これからなすべき事が山積みなのに肝心な問題は先送りの状態です。日本が纏まるには、まず国民の代表である国会議員が纏まらない事には始まりません。いくら民間のレベルで頑張っても出来ない事があるのですから、しっかりと国民の声を聞いて国政を担って頂きたいと心から願う次第です。日本は、世界で唯一の原子爆弾による被爆国であり、世界の統一と平和の実現と言う非常に重い使命を担った国だと思います。そのためにも、まず、日本がひとつに纏まり、お手本を示さなくてはならないと思います。三年先には東京オリンピックの開催が控えていますが、このときこそ、世界に道義大国日本ここにありと示す良い機会と思います。同じ人間同士、解決できない問題はないのです。人という字の如く、誰一人一人では生きていけないのです。一人では生きていけない私であっても誰かの支えになっているかもしれません。共に頑張りましょう。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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