天長節

2017年12月01日(金曜日)

 今上陛下におかれましては、ご譲位のご意向をお示しあそばされました。はたしてどれだけの国民が陛下の大御心を正しく理解しているのか、疑問に思います。昭和の御代には、大東亜戦争があり、終戦の傷跡から復興を成し遂げました。その面からいえば、平成は、自然災害からの復興の御代ともいえましょう。明治維新以来、明治・大正・昭和の三代にわたっては、天皇陛下を中心にして、君民一体の国是が整っていたと言ってよいでしょう。しかし終戦後、そのごく自然であった日本の体制が崩れ、そして現在においても崩れ続けています。私達は、今すぐにでも、「日本人の魂」を取り戻す必要があります。憲法問題においても、日本一国の一時的な平和のみを考えるのではなく、世界全体の恒久平和により多く貢献するためにどうあるべきか、憲法改正の積極的な議論が必要ではないでしょうか。改憲自体を悪と考える反対派の国民は、「日本国民としての尊厳」の破壊をもくろんだ戦後の占領政策に呪縛されているということに一刻も早く気づいて欲しいと思います。一部の日本国民による皇室に対する非礼の数々も、占領政策の成功例の一つといえましょう。このままでは悪くなる一方だという自覚が求められます。
 天皇皇后両陛下にどれだけの国民が救われたことでしょう。両陛下の被災地に於ける慰問は、被災をしてない私の心にも「いつ何時被災しようとも、陛下の大御心に支えられているのだ」という深い感動がもたらされました。今上陛下がご譲位あそばされた際には、このようなご聖徳を後世にいかにして伝えて行くか、本会としても真剣に取り組んでいかなくてはならない問題であります。当今マスコミは、「開かれた皇室」などとさかんに喧伝していますが、宮中晩餐会など、見た目に華やかな儀礼ばかりを取り上げ、本当に伝えなくてはいけないことを視聴者に伝えておりません。まだ国民が寝静まっている明け方から始まる陛下の御勤めの詳細など、国民の殆どが知らないという有様です。はっきり申して、陛下の御勤めを知るというのも国民の義務だと思います。陛下のご譲位に際して、もう一度国民が皇室に対して襟を正さなくてはいけないと私は痛感します。
 日本国民の意識改革をするにおいても、一日も早い「明治の日」の実現が必要不可欠であります。神武天皇の建国の精神に立ち返るべくあらせられた明治大帝のご聖徳を語り継ぐのは言うまでもないことですが、明治大帝のもとに維新を成し遂げた、日本人の崇高な精神を取り戻さなくてはいけないと思います。戦後教育を受けた私がはや四十歳を超えるといったこの時期、そのような精神が薄れていくことが心配され、今が一番大事なときであります。古来より受け継がれてきた「日本国民の国に対する赤誠」を、今こそ取り戻さなくてはなりません。
 12月23日は、言うまでもなく今上陛下のお誕生日「天長節」でございます。国民一丸となってお祝いをいたしましょう。



真世界巻頭言


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