妙宗大霊廟創建90周年を来月に迎えるにあたり

2018年03月01日(木曜日)

 恩師田中智学先生が、「自らの宗教活動の卒業論文」とまで言われました妙宗大霊廟は、昭和三年三月に完成し、同年四月十三日から十五日まで三日間にわたって落慶式が行われました。それは壮大にして典雅な大式典であった記録されています。本年からちょうど九十年前のことです。大霊廟建設にあたっては、大変な苦労があったことを聞いています。 妙宗大霊廟を建設することは、明治三十年創建の鎌倉要山師子王文庫時代や明治四十三年創建の三保最勝閣時代にも計画されましたが機は熟さず、漸く大正十五年に具体化しました。
 霊廟建設申請の際には、所轄庁である当時の警視庁から「容器に収めず、他人の遺骨が混じり合うのは、納骨堂の規則に反する」ということで却下され、恩師自ら警視庁へ出向かれて何度も議論をされ、さらにまた東京府や文部省へ折衝を行われ、一年半後、特別に許可を受けることができました。一塔のもとに合わせて安んじるといった一塔合安のお墓は、当時にあっては、破天荒な発想であったと思われます。合祀形式のお墓は、今でこそ当たり前のように見られるようになりましたが、お墓というと個人単位もしくは家族・地域村落住民単位のものとしか考えなかった九十年前では、日本全国どこを探してもありませんでした。政府がなかなか認可しなかったのも一理あってのことと思われます。
 私達が信奉する法華経では、皆が挙って幸せになり、この娑婆世界が万人平等の理想的な世界になることが説かれています。大霊廟は、このような法華経の教えを形に表されたものではないかと思います。
 来たる四月十五日には、全国の同志の皆様とごく内々の妙宗大霊廟創建慶九十周年記念法要を営み、ご廟前にて、舞楽奉納などの式典を企画しております。一人でも多くの同志の皆様がご参列賜われれば幸せに存じます。今まで、霊廟を護持してくださいました先亡の諸霊位は、早くも三万霊位近くにのぼっております。報恩の感謝の誠を捧げつつ、私もいつかは祈られる側になる訳でありますが、次代へバトンを渡すまで、よく持ち奉ることを誓っている次第です。「本当の異体同心」を実現するために創建された妙宗大霊廟に、同志の皆様、一人でも多くの方のご参列を心より御待ち申し上げております。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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