日蓮聖人御降誕800年慶讃事業について

2018年06月01日(金曜日)

 日蓮聖人御降誕800年を平成33年2月16日に迎えるにあたり、日蓮聖人門下連合会は昨年度から慶讃事業に取り組んでおりますが、来年は、中国西安にある草堂寺を訪ねる合同法要・旅行を企画しています。
 草堂寺は、鳩摩羅什三蔵が法華経を『妙法蓮華経』として西暦406年5月に漢訳された、と伝えられている寺院であり、また鳩摩羅什三蔵の眠る特別な地であります。漢訳された法華経は他にもございますが、鳩摩羅什三蔵訳の妙法蓮華経が後世に与えた影響の大きさは、恩師田中智学先生が以下のようにおっしゃられています。
予は此法華経に於ては、世界に幾種の訳ありとも、恐らく什訳に及ぶものはなかろうと確信し、什師を以て、千古不世出の訳者であると直覚し承認するものである、彼の舌根不焼の如きは、此人が深く経典を崇敬し、金口の遺韻として一字一句苟くもせられざりし大熱心、些かも仏説を疵つけざらんとの慎密なる用意を見るに足るのである、さればにや天台、妙楽、伝教等は素より、吾 聖祖に至っては、古今独歩唯一の訳者として、血脈にさへ加へさせ給ひしほどである、宜なる哉、これを文辞より見ても、穏健雅妙、或は高大に、或は森厳に、或は周匝に、或は幽遠に、変化測るべからずして、音韻、整正朗々として心胸に徹し、髣髴として仏陀の在ますが如き感を生ずる、文章としても実に天下の至文である(『日蓮主義敎學大観』より)
 かつて大聖人700遠忌の際には、「青年の船」と題して、グアム、サイパンにて母国をはなれて戦死された、日米両国の15,000御霊、また戦力もなくただ戦争に巻き込まれ死に追いやられた、8,000の島民の慰霊祭を、門下連合会として500人を数える参加者と奉行いたしました。いまこの記事を読まれている方の中にも、ご参加された方がいらっしゃると存じます。かつてこの行事に参加した若い僧侶が、今各宗派の指導者となり、門連の役員として戻って参りました。この合同参拝も「青年の船」のような行事を再び行いたいとの思いから生まれた企画です。今回御降誕800年記念事業の趣旨を門下連合会の活動報告より一部抜粋して、皆様にもご理解とご参加を賜りたくご案内させて頂きます。
日蓮聖人は、法華経の行者としてお題目を弘めるにあたり、鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』拠り所されてきたのはご承知の通りである。鳩摩羅什は数多くの経典を漢訳しているが我々が普段拝読する『妙法蓮華経』は鳩摩羅什あってのものであり、日蓮聖人にとってもその存在が大きい。日蓮聖人にとって不可欠な存在であった鳩摩羅什三蔵の遺徳を偲び、また縁あるその地を多くの門下が訪れて顕彰し、記念法要をすることが企画の趣旨である。
 この様に、企画をいたしておりまして、本会からも門下連合会実行委員の一人として下見を行います。以後、行事内容や日程の詳細を門連実行委員会で作成し、門連理事会で承認されれば、皆様にご案内できるかと存じます。一人でも多く同志の皆様とこの聖地にて法要を営みたく存じます。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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