人々のニーズの多様化

2019年02月03日(日曜日)

 今の世の中、とても便利になって、遠く離れた異国の情報も容易く手にいれることが可能になり、今までは考えられなかった珍しい品々を、難なく我が物にできる時代になりました。それに応じて、人々それぞれのニーズも多様化しています。
 これまでは、保守的と目されてきた宗教界にあっても、変化を余儀なくされ、目まぐるしく変わっていくこのご時世に合わせた改革が求められています。本会にあっても、このような時代のなかでは、頭でっかちになって、教学を昔ながらの表現で説くことに拘っているときではないと思います。教えの根本を踏まえた上で、人々それぞれのニーズをよく捉え、これらに応えられる仏教徒を目指していかなければならないと思います。
 教えの根本は、正義に随従することによって、皆が挙って平安になることです。そのためには、正義だけが独り歩きして、困った人達の上を跨いでいかないようにしなければならないと思います。私は、可能な限り、周りの人々の助けになるようにと心がけて活動していますが、私一人の力ではあまりたいしたことはできません。私と同じ考えを持って下さる同志の方々のご協力あってのことです。よろしくお願いします。
 世界には、我々の仏教、そしてキリスト教、イスラム教といった世界三大宗教を始め、多くの宗教があります。それぞれに特徴があり多様な儀礼がなされていますが、おしなべて、音楽が極めて重要な役割を担っていることに気づかされます。
 人々は、音楽を通じていとも簡単に他者との垣根を取り払うことができます。もっとも、熱狂的なファンの前で、その人や音楽を批判したら、争いになるかもしれませんが…。音楽も、時代と共にニーズの多様化が見られ、私が学生の頃に、ヒップホップを聞き、それ以外の音楽は聴かないと威張っていた友人もいましたが、今の音楽も、表層はともかくとしてその本質において、昔と較べ明確な違いがあるとも思いません。作る側も聞く側も、そこまでの意識をもって音楽を選んでいるわけではないと思います。
 本会にあっても、今後の布教活動において、昨今の音楽の如く自然体に人々の心にニーズに応える必要があるのではないかと思います。仏教の根本原理を踏まえて表現を柔軟に変えていく勇気が必要な時代であり排他的姿勢をとる宗教は滅びていくのではないかと危惧しています。皆様はいかがでしょうか?
 今月には、釈尊涅槃会及び聖祖降誕会を迎えます。加えて私の誕生月でもあり、改めて初心にかえって、思うところをそのままに書かせていただきました。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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