皇室の御繁栄を心よりお祈り申し上げます

2019年04月02日(火曜日)

 先日、米国出身で日本文学・日本文化研究の第一人者であるドナルド・キーン氏がお亡くなりになりました。義母の勧めもあって、同氏著『明治天皇を語る』をゆっくりと読み始めました。著書の中にご自分で書かれていますが、天皇陛下や皇室について語ったり書物に残したりすることは、畏れ多いことだと考えている日本人が多いことから、残された資料が非常に乏しく、ひどく苦労されたようです。それに較べ外国人には、遠慮するところがないことから、当時明治大帝と接した外国人の資料を参考にして書かれたそうです。ドナルド・キーン氏自身も外国人ですが、日本人の心を一番理解していた人だと私は思います。切り口がとても斬新なのし加え、時には日本人よりむしろ日本人的な捉え方で明治大帝の事をお書きになられています。とても興味深い一冊です。まだお読みになっておられない方には、是非読まれることをお薦めします。
 来月には、いよいよ新たな御代の幕開けとなります。平成の御代の内にと、実現を切望していた「明治の日」制定が叶わなかったことは非常に残念ですが、これからも運動を継続し、一人でも多くの方々が明治大帝の御聖徳に触れていただけたらと願っています。ご理解とご協力を心よりお願い申し上げる次第です。
 これからも明治大帝の御聖徳を後世に伝えていかなければならないと思います。殊に明治大帝の御製は、現代にあっても、我々の日常生活の上での道徳の指針となることが多いのではないかと痛感しております。明治大帝のみならず先帝陛下しかりであります。昨今、あまりにも国民の心持が天皇皇后両陛下及び皇室の方々に対し奉り失礼が多くあるように感じております。一番顕著に感じるのが報道関係者であります。報道のありかたが国民の意識をこのような体たらくにしていると私は、警鐘をならしたく存じます。このようなだらしない国民に対しても、天皇陛下は、常に民を大御宝として、我々民の為に無私の心で我々の弥栄と安寧を祈ってくださっているのです。その大御心にどのようにしたら報謝できるのでありますか、今の私には祈りを捧げることしかできませんが、今後考えていかなければならないと思います。今上陛下の大御心に報恩謝徳し、もって皇室の御繁栄を心よりお祈り申し上げ平成の御代最後の巻頭言といたします。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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