明るい未来を目指し英知の結集しよう

2019年11月01日(金曜日)

 19号そして21号と続いて、近年にない猛烈な台風に襲われましたが、被害を受けられた方々にお見舞いを申し上げますと共に、またしてもこの度の災害で尊い命を失われた方々の菩提増進を心よりお祈り申し上げます。
 この度の台風は、本州をぐるりと囲むくらいの広範囲にわたり、降り注ぐ大雨によって河川が増水しやがては堤防が決壊するといった甚大な被害をもたらしました。国柱会本部のある江戸川区は海抜ゼロメートル地帯であり、区が発行したハザードマップにおいて、区外へ避難をする様にと記載されています。今回の台風襲来に当たって、九時間前から防災無線での避難指示が出され、関東及び東北などかなりの広範囲において堤防決壊の恐れがあるといったニュースが何度も繰り返されました。このようこともあって、私は、自分自身の身の安全もさることながら、万が一の時には、申孝園ロータスヴィラの入居者を建物の三階以上に避難させる為の陣頭指揮に当たらねばと考え、一晩中荒川の防災カメラとにらめっこしておりました。テレビから様々な情報を収集しておりました矢先に、東京では多摩川が氾濫し、長野では千曲川、福島では阿武隈川など、様々な河川の堤防決壊の報道が飛び込んでまいりました。一晩明けてその惨状を目の当たりにして驚きました。此処江戸川区にあっては、幸いにも、地域が冠水に見舞われるといったような大きな被害もなくほっとしているところです。日本には多くの河川があり、どなた様にとっても今回起きたことは、他人事ではないと感じられたのではないかと思います。
 昨今は、全世界で、異常気象による豪雨の災害が頻発しております。我が日本においても、過去には言葉としても存在しなかったゲリラ豪雨なるものが、今では当たり前の出来事になっております。降雨は我々の命を繋ぎとめてくれるために欠かすことができない自然の恵みではありますが、時として度を越し、我々の力では到底抑えることができない絶大な力を発揮して猛然と襲いかかってきます。これも、利便性ばかりを追求したことの報いとして、地球環境をも変えてしまい、地球温暖化による海面水位の上昇などを招いたことが原因かとも思われます。私達は、今一度立ち止まって、現代の有り方を根本的に見直さなければならないと思います。子々孫々に明るい未来を残すために、人間の英知を結集する必要があると思います。この度の度重なる災害において尊い命を失った方々の菩提を弔うに当たっても、このために益するどのような些細なことにも取り組んで実践することが今を生きる我々の責務だと強く感じた次第です。これからも私は、被災地の方々と一過性でない心の交流を続けてまいりたく存じます。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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