ご縁のありがたみ

2020年06月01日(月曜日)

合掌 長らくご高誼を頂き、また、明治の日推進協議会の会長として、明治の日実現の為にご尽力されてこられました、塚本三郎先生(元 民社党委員長・元 衆議院議員)が、5月20日、93歳でご逝去されました。
謹んでお悔やみを申し上げますとともに、菩提増進を祈念いたします。

 仏教では、何事においても因縁を大事にしなければならないことが説かれ、「因」は直接的な原因、「縁」は間接的な原因と説明されています。私は、自分自身が作った原因が「因」で、第三者から頂いた原因が「縁」だと自分なりに解釈しています。日常生活の中では、自分が出会うどなたにも、よい縁だと感じていただけるように心掛けてはいるのですが、御宝前において祈りを捧げる時間は別として、私のつくる因が果たしてどれだけみんなに良い縁を与えているか、正直なところ自信を無くすことがしばしばあります。
 例えば、家族や親しい友人と過ごしたりするとき、つい甘えが出て自分本位に行動してしまって、沢山の迷惑をかけているのではないかと思うことがあります。これに対しお仕事の中では、いろいろと気を遣って行動しますが、気遣いがかえって悪い縁をまき散らすことがままあります。
 皆様はいかがでしょうか。生活の中では「うち」と「そと」の区別がありますが、どちらも自分のこころが決めるもので、それらの間に段差が生じると必ず軋轢が生じます。うちとそとの段差がなるべく小さくなるように、日々こころを磨くことが大事だと思います。実際、家庭にあって、ごく身近なひと達と過ごす際にいい縁であると感じてもらえなかったら、その他の方々にいい縁など到底感じてもらう事などできないと最近思います。
 コロナウィルス禍に直面した目下の状況のなかで、生活環境がいろいろと変化しました。家族と接する時間が今まで以上に増えたことが原因で、大事な家族との間に感情の齟齬が生じて家庭不和が生じた人や、SNSなどで、今までは気にも留めなかったようなことにストレスを感じる人や、ことさらに他人を誹謗中傷したりするような人が増え、その誹謗中傷により、自ら尊い命を絶ってしまった、若い女性のニュースが報じられました。無責任なネット上での誹謗中傷は、いわゆる無差別テロと同じな卑劣な行為で決して許してはいけない行為であると思います。尊い命を絶たれた方の菩提増進を心よりお祈り申し上げます。
 さて、この様な状況下に家族と過ごす時間が増えることは、家族が意思疎通をはかる絶好の機会に恵まれたとも考えられ、今迄に気づかなかったことに気づくことは、自分を大きくする機縁を得たとも考えられます。この様な時だからこそ、自分の言動などを改めて見直すことが大切だと思います。普段なら考えもしなかった自分の存在に気づき、今まで以上に、思いやりを持って日々の生活を送りたいという気持ちを大切にしていきましょう。近くの人をまず幸せにすること、簡単なようでこれがなかなか難しいことですが、基本はここにあると思います。ご縁は大変ありがたいものであります。だから、自分が良いご縁の原因になるように私自身日々心掛けていきたいと思います。
 先行きが不透明な昨今ですが、全世界人類の病悩速除を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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