コロナ禍の一年を振り返って

2020年11月30日(月曜日)

 師走を迎えましたが、新型コロナウィルスの脅威は未だ強まるばかりです。今年一年を憶い返してみますと、テレビのニュースにおきましてもコロナウィルスのことが毎日大きく取り上げられ、皆様におかれましても、心が休まることのない日々ではなかったかと拝察いたします。正直申し上げまして、私自身、日々戦々恐々としております。
 国柱会は、皆様ご存知のように、有料老人ホームロータスヴィラを運営し、多くの御高齢の方々をお預かりしております。職員を含めどなたの感染もないように、可能な限りの方策を検討し実施しておりますが、いつ感染者が出ないとも限らない状況です。今はただ、ワクチン治療薬が早期に開発されることを願うばかりです。この為に尽力されている研究者の方々や医療従事者の皆様に心より厚く御礼を申し上げます。
 その様な日々の中にも、心身をゆだねて身も心も安んずる時があります。私にとって、それは正中法座でございます。御本尊に向かって南無妙法蓮華経と唱え、自分一身にとどまらず皆が幸せになることを願って祈りを捧げるとき、戦々恐々とした気分も雲散霧消します。「南無」は一切をお任せすることであり、「妙法蓮華経」は法華経で説かれている本仏(いわば真理)の働きのことだと私は理解しています。自分の力を超えたことに右往左往することなく、本仏に一切をお任せして、ひたすら唱題に励みます。一見無責任な様に聞こえる方もおられるのではないかと思いますが、それぞれに様々な思いを胸に抱きながらも、みんながこぞって平穏無事を願って合念するとき、本仏の導きによって、途方にくれている私達にもよい智慧が授かるかもしれません。どうか我々の叡智を超えた存在である仏力・法力を、我々の信力で一如させ、この難局を一日でも早く乗り切れるように、共に力を合わせて祈りましょう。私一人の力はたかが知れています。どうか皆様のお力添えを賜りたくお願い申し上げます。
 結びにこの一年も皆様のおかげでなんとか頑張ることができました。心より御礼を申し上げます。新たな年がどなた様にとりましてもよい年になりますことを衷心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経
国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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