日蓮大聖人御降誕八百年慶讃

2021年02月01日(月曜日)

 日蓮大聖人ご降誕八百年をお迎えし、心よりお慶びを申し上げます。
 私達にとって大聖人は主とも師とも親とも言ってよいお方です。私自身のこれまでの人生を振り返ってみても、色々な場面で大聖人の教えによって支えられてきたことに気付かされます。御降誕八百年というこの記念すべき日を迎えるに当たって、大聖人から受けた御恩に如何に報いるべきか、愚考を重ねているところです。
 法華経には、法華経を拠り所として信仰する者には必ず様々な難が降りかかる、といった予言が書かれていますが、大聖人は、まさにこの予言通りに、数多くの御法難に遭われました。様々な見地から仏法を学ばれ、数多くある仏典のそれぞれを、ところあらしめて活かす教えは、法華経を措いて他にないことを確信され、法華経の正しさは絶対に譲れないという確固たる信念をお持ちあそばれたからこそ、多くの苦難を乗り越えて、法華経の広宣流布を成しとげられたものと存じます。現代は多様な価値観がぶつかりあっている混沌とした状況にあり、大聖人が活躍された鎌倉時代にも過ぎる末法の世です。この様な時代に、法華経を信仰してその信仰を生涯通すことは非常に難しいことと存じます。しかし、大聖人の教えを継承しようとするものは、この状況を傍観するわけにはまいりません。大聖人の教えを身に体して、時代を切り開く知見を発信することが求められます。
 現今、世界全体がコロナ禍で右往左往しています。大聖人が「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なら諸事かなうことなし」と述べられている様に、この問題の解決に当たっては、皆が異体同心して協力し合うことが不可欠です。しかし、ここでいう同心を、自分と利害が一致する者同士が同心するといった意味に理解するわけにはまいりません。現に、自国のみの安全を計って同心することに専念し、かえって禍を大きくしている国が数多くあります。私達が同心するべきは、一切衆生を救おうとされる大聖人の御心です。そのためには、皆が大聖人の御心が何かを正しく把握して身に体することが肝要かと思われます。そのことは念頭に置いて、先ずは、同志の皆様が揃って手を取り合って大聖人に異体同心し、問題の解決に取り組みましょう。このことが大聖人に対しての何よりの報恩行ではないでしょうか。
 受け難き人身を受け、仏身に至るまで遇い難き法を持ち、信行を鼓舞し、正法正義普及拡大に励み、大願成就し全世界平和の妙相を現ぜんとの願いをもってご降誕八百年を慶賛し、ここに恭しく報恩の誠を陳べると共に、更に無量の擁護を垂れたまえと至心念禱し奉る。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


ページの先頭へ