顕正会を迎えて

2021年07月01日(木曜日)

 今月は8日に顕正会を迎えます。日蓮聖人は文永10(西暦1273)年のこの日に佐渡において我々の信仰の対象であるご本尊さまを顕されました。大聖人が御降誕されご本尊を顕された事により、我々は信仰で結ばれたのであります。ご本尊様の意義につきましては、ご遺文「日女御前御返事」(『妙行正軌』77ページ参照)に平易に解説されておりますので是非ご参照並びにご拝読願いたく存じます。
 私達は、日々の勤行を妙行正軌に基づき行っていますが、その中の「妙法蓮華経如来寿量品第十六」に、「一心欲見佛 不自惜身命」(一心に仏を見奉らんと欲して、自ら身命を惜しまず)といった一節が見られます。いま本会を含めて仏教界の現状を真摯に顧みますと、この経文の如くに妙行が修されているか否か、甚だ疑問を感じるところです。
 私は、導師としてお勤めを行う際に、いつもこの経文を念頭に置きながら御宝前に臨みますが、一生の内にどの位この経文に見合った唱題ができますやら、自らの所行にただ恥じ入るばかりです。「仏道ははるかなり」と言った言葉がありますが、まったくこの言葉通りではないかと毎度毎度痛感しております。「信心の行によって智慧の行に依るべからず」が本化妙宗の教えでありますが、いま本会の傾向として、智慧の行に傾き信心の行がおろそかになっている様にも感じられます。この現状を打破し、本当の意味での信心の行をとり戻す事が続種護法にも繋がると私は信じています。ご家庭でのご本尊様への給仕の姿勢が何よりの教化の第一歩であります。家庭にあって家長が御本尊様にひたすら帰依する姿を示すこと、そこに何の説明を加える必要もないと思います。ご家庭でのご修業を今一度考えて実行してください。
 顕正会を迎えるにあたり、今一度原点にかえって共により良い信行生活を送りましょう。
国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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