終戦後77年目を迎えて

2022年10月02日(日曜日)

 8月15日、77年目の終戦の日を迎えましたが、世界全体がコロナウイルスとの戦いに明け暮れ、日本でも一日の感染者が二十万人にも迫る勢いで感染が拡大しています。
 こんな折も折、先の大戦で多くを学んだはずの人類が、今なお戦争と言う悲しい事態を起こし、早や半年が経過しました。先の大戦では、世界中の多くの人々が戦争に巻き込まれて過酷な運命を強いられましたが、そんな経験を、七十七年という歳月を送る中でいとも簡単に忘れ去ってしまったのでしょうか。もしそうであるなら、その事に思いを致し、次世代にもしっかりと教え伝えていかなければならないと思います。
 私達が目指すべきは「通一仏土」即ち世界が一つとなって睦みあう恒久的な平和です。とりわけ日本は、道義的にもその使命が課せられた国だと思います。なぜなら、以前にも申し上げましたが、人類史上初めて原子爆弾の被爆を受けた国だからです。核廃絶、戦争根絶を世界中に訴えていかなければならない使命があるのです。コロナウイルスによって心身共に蝕まれて今を生きる我々ですが、世界全体に恒久的な平和をもたらす為にはどうすればよいか、みんなで智慧を出し合って考えなければならないと思います。
 そのためには、お釈迦様はじめ日蓮聖人の教えを深く学ぶ必要があります。日蓮聖人は「立正安国」(正を立てて国を安んじる)と説かれましたが、この教えを現代に翻案すれば、「立正安世界」だと思います。そこで大事なのは、「正」の意味をどのように理解するかといった問題です。一口に正を立てると言っても、自分本位の「正」を主張すればかえって戦争に繋がりかねません。現に、この度の戦争において、それぞれが自国本位の「正」を立てて先行きが見えない状況です。
 世界の恒久的平和につながる「正」とは何か、その意味を追求していくことが求められます。このことは、正法である『妙法蓮華経』をよく咀嚼し帰依することによってこそ可能だと思います。けっして諦めてはなりません。こんな時代にあっても強い意志をもって、これからも日々修業を重ねていきたいと思います。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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