恩師田中智学先生のお言葉令和4年11月号

2022年11月03日(木曜日)

 大正3年(1914)11月1日から4日にかけて、静岡三保最勝閣正境宝殿落慶法要が営まれました。その法要中恩師田中智学先生は、明治17年(1884)創業の教団「立正安国会」を、門下の各信仰団体と合体させ、改めて「国柱会」を創設されました。
 今回は、国柱会創始に際しての恩師のお言葉を掲載いたします。

                  □    □    □    □    □    □

敢て同志の人々に告ぐ

予は三十六年の思惟實行に成れる甚深の経験に鑑みて。篤く稽ふる所あり。茲に大正三年十一月三日を期して。吾同志の統一的結合を固めん爲め。從來各種の團結を融合すべく。一大正義の下に。代表的權威ある一大團結を形成し。名けて國柱會と曰はん。會規はたゞ約法三章の簡明に順ひ。實務は各地同志の篤信的自治に任せ。其統一歸着を根元に攝歸して一大正義の脈絡貫通を明確にし以て敏活公明の發動を熾にせんとす。同志諸君請ふ來れ。義は盡せり。時は到れり。惑ふ勿れ。屈する勿れ。

附言 此宣言と共に。立正安國會は國柱會に合體し。その從來の會規職員等は茲に自然消滅す。又他の諸團に對し。予が總裁又は顧問たりし名義は。此宣言の發表と共に一切に之を取消す。たゞ此等諸團體も願くは今回の一大團結中に融歸あらんことを切祈するものなり

 大正三年十一月 田中智學 敬白
                              (『國柱新聞』大正三年十一月一日 第八十九号より) 

國柱會創始の宣言
                
吾人は、茲に多年の信行的經驗に據り時世の適應に鑑みて、世出兩聖弘宣の大猷を光揚せんが爲め、同志と共に國柱會を結成することを宣言す。
國柱會とは、專ら國聖日蓮大士の解決唱導に基きて、日本建國の元意たる道義的世界統一の洪猷を發揮して、一大正義の下に四海の歸一を早め、用て世界の最終光明、人類の究竟救濟を實現するに努むるを以て主義と爲し、之を研究し、之を體現し、之を遂行するを以て事業と爲す。
本會は、現代に於て最も進歩せる明確の主張を以て一世を指導すといへども、敢て新奇を競ふの意にあらず。遠くは皇祖建國の宣示を恢弘し、近くは國聖開導の顯説を擴充して、之を國民思想の上に涵養孚成するもの、即ち古を整へて新に應ずるに在り、
從來國聖日蓮の名を、單に一宗門派の祖とのみ局り稱せしは誤れり其「日蓮によりて日本國の有無はあり」との自信骨張の中には、何ものにも超勝せる最も堅固
明白なる國體宣揚國運開發の大主張を持せるものなることを忘却すべからず、是れ本會が日蓮主義を以て、單に狹き宗敎的意義に限らしめずして、廣く國民的思想と爲し、世界文明の唯一指針と爲し、特に國聖の名を以て之を稱する所以なり但これが落居を宗敎的信念に歸したるは、狹き意味に取らずして、深き意味に取る。即ち國民的思想としての廣さに、宗敎的信念の深さを加ふるなり。再言すれば國體觀念に對し、深重の内容を發揮したるもの、是れなり。
國家の眞性命を知り、人類の眞意義を味はんとするものは來れ。國柱會は、此等眞摯の自覺者に對して、直に強大なる國民性の安心信念を孚生せしめんとす。是れ當然自覺すべき日本國民の天職なり、必然到達すべき人生の根本意義なり

 大正三年十一月三日
 發起人 田中智學 敬白
                                 (『國柱新聞』大正三年十一月三日 第九十号より) 



真世界巻頭言


ページの先頭へ