トルコ・シリア地震の報に接して

2023年03月01日(水曜日)

合掌
 この度のトルコ南部を震源とする強い地震で、尊い命を落とされた諸霊位に心より菩提増進をお祈り申し上げますと共に、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 トルコと聞いて私は、ある出来事を思い出しました。東日本大震災の際に私は、宮城・岩手にお住まいの同志の安否確認と、救援物資を届けるために訪問いたしました。その折りに、遭難者の捜索活動が行われている場所で、殉難諸霊位の追善法要を、捜索活動の邪魔にならないよう気を付けながら行いました。その時、近くで活動されていた外国の救援隊の方々が、作業をとめて一緒に祈ってくださっているのが目に入りました。法要後、感謝を伝えるため挨拶に行くと、トルコから来られた救援隊の皆様でした。突然の訪問にもかかわらず快く受け入れてくださり、しばらく随行させて頂きました。トルコでも、東日本大震災の前年の平成22年(2010)に41人の方が亡くなられた大きな地震がありました。自国が大変な時にも、日本の為に救援物資だけでなく救援隊を派遣してくださいました。感謝の気持ちでいっぱいでした。その時の皆様がどうかご無事で、また一人でも多くの命を救って頂きたいと、地震発生の報に接して以来ずっと祈っております。できる事なら、私も現地でボランティア活動に従事したいと思いましたが、叶わぬ事であり日本から祈りを捧げる事しかできません。
 その東日本大震災からまる12年が経ちます。以前にも幾度となく申し上げましたが、これは地球の所謂生命活動であって、地震のような自然災害は止めようがありません。日々備えあれば憂いなしで、犠牲になられた尊い命のためにも、今を生きている我々が命を大切にしなければなりません。自分の命、家族の命、また八紘一宇の考えからすれば、世界全体の命を大事にして生きて行かなくてはなりません。ですからロシアもウクライナも言い分はあるでしょうけれど、戦争をいち早くやめて、人道的支援の為にトルコに人員を送るべきだと思います。東日本大震災の被災地はまさに地獄絵図でありました。しかし大事な家族を失い辛い中においても、お互いが助け合い、譲り合い、本当に助け合う、素晴らしい人たちの心の美しさを目の当たりにもいたしました。今でもその時の経験を私は忘れません。
 日々の備えを、家族との連絡の取り方などを今一度確認しましょう。地球上の地震サイクルを考えると、トルコでの地震からニュージーランド・クライストチャーチの地震、その翌月の東日本大震災でした。非科学的な事かもしれませんが、気にならないといえば嘘になります。次の大地震が起らない事が一番ですが、こればかりは何とも言えぬものでありますから、常に備えて命を護りましょう。
 結びにこれまでの自然災害殉難諸霊位の菩提増進を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経法華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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