恩師田中智学先生のお言葉 令和5年5月号

2023年05月04日(木曜日)

絶對平和是れ正に宗敎の本領(前号のつづき)

    三
 宗敎がその時代に活きようとあせつて居るようなことでどうするか。それは宗敎の時代追隨である。
 宗敎は時代啓發し誘導するものでなければならないのに、時代に追隨してその生命の維持を欲して居るようなことで、果たして宗敎としての意義があらうか。
 そんな低劣なる宗敎は、迷信的宗敎に僅に一歩を進めたものにすぎぬ。
 眞の宗敎は人類の精神中から、その兵器を除くところに在り、個々の人々の心中に除くのでなしに人類全體の心中から除くのでなければならぬ。
    四
 そういふ事は空想ではないかといふものもあらう。
 そんな出來もしない空想をするかはりに、社會事業でもやるのがよいといふものもあらう。小觀 大觀おのおのその分あり、それももつともだ。けれどもそれだけでおしまひで、果たして宗敎の諸敎祖、基督でも、佛陀でも、日蓮聖人でも、御満足せられるか。                 (『天業民報』大正十三年十一月八日号より)
                                                        (次号へつづく)



真世界巻頭言


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