『佐渡御書』を拝読して

2023年05月29日(月曜日)

畜生の心は弱きをおどし強をおそる。當世の学者等は、畜生の如し。智者の弱きをあなづり、王法の邪をおそる、諛臣と申すは是なり。強敵を伏して始めて力士をしる。悪法の正法を破るに、邪法の僧らが方人をなして智者を失わん時は、師子王の如くなる心を持てる者必ず佛になるべし。例せば日蓮が如し。これおごれるにはあらず、正法を惜しむ心の強盛なるべし。おごる者は必ず強敵に値ておそるる心出来する也。例せば修羅のおごり、帝釈にせめられて無熱池の蓮の中に小身と成りて隠れしが如し。正法は一字一句なれども、時機には叶ぬれば必得道なるべし。千経萬論を習学すれども時機に相違すれば不可叶
                                     (『日蓮上人遺文大講座』九 佐渡期御書 より)

 「師子王の如き心を持たなければ正法は広まらない」という、大聖人の御教えでありますが、大聖人は、何者も恐れず、どんな人にも権力にも屈せず、唯命に懸けて法華経を弘める事又その時機の大事さも教えてくださっています。
 今末法の時に法華経以外の法を弘めてもなんの意味もないと仰っておられます。
「畜生の心は弱きをおどし強をおそる」と我々に弘通のありかたも適格にご教示をいただいていると私は感じます。まさに師子王のごとく強い心持で後進を愛育扶導しなくてはいけないのであると強く感銘を受けます。
 大聖人ご在世の「當世の学者等は畜生の如し」とならぬ様に心がけて日々精進を重ねたく存じます。
                                                国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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