送旧迎新に当たって誓いを新たに

2006年11月29日(水曜日)

今年も残すところあとわずかとなりました。一年を振り返りながら、新しい年に向けて、自分なりにこれまでのありかたを反省しているところです。

現代の世の中を考える時に私がいつも感じることは、一見豊かなように見えても、その実、夜の海で泳ぐ様な寂しさに包まれている感じに覆われます。世の中の何も信じることが出来ない人々、更には、自分自身の可能性すら信じることが出来ずに、自らの命を絶つ者まで増えている状況です。何とも例えようのない嫌な現実、それが、我々が実際に生活している娑婆世界です。まさに、仏教で説く末法といった言葉がぴったり当てはまる現況です。

しかし、我々は決して諦めてはいけません。我々は、法華経の教えが如何にすばらしいものであるかという事を自覚すると共に、すべての人に伝えなければいけない使命があります。法華経に説かれている様に、この娑婆世界は、本仏のいます本国土であり、本仏は決して我々を見捨てたりはされません。 我々が本気で取り組まなければならないことは何か? それは、本仏の教えを承けて、大聖人が「我れ日本の柱とならん」と言われた、その意を正しく理解し、正しく行うことに尽きます。

そのことによって、娑婆世界はそのまま寂光土となるのです。皆さん一人一人が主役なのです。自分の肩に乗っかっているのは、家族の生活のことだけではありません。一人一人の肩に、日本の国が、また世界全体が乗っかっているのです。みんなの至誠の祈り、至誠の信仰によって、日本を、世界を、そして宇宙全体を護る、それ程大きなことを成し遂げなくてはいけないのですから、一人でも仲間を増やしていくことが必要です。人を追い込まず又自分自身も追い込まない社会を築いていくのです。つねに怠らず、日々の精進が求められます。
 法悦を実感できる活動、その感動を伝えていく活動を展開しなくてなりません。自分自身が何かを得るより、人に対して何かを与えることの喜びの方が数段上だと思います。見返りを求める人生にそろそろ別れをつげ、本気で何かを与える側にまわりましょう。そうすればもっともっとすばらしい人生の幕が開ける事でしょう。だからといって「してやっているんだ」といった横柄な態度は避けなければなりません。一人一人が、まず、精神的魅力に溢れ、人の驚くようなすばらしい信仰生活を送り、一人一人が国の大黒柱であり地球の大黒柱であるという自覚をもつことが急務です。願業の成就の為に、いかなる困難にも耐えてがんばりましょう。

十二月三十一日、本部では送旧迎新法要を厳修いたします。参列出来なくても、ご家庭のご本尊に、ご家族と共に『邪法消滅 正法繁昌」を祈り、よい年を迎えましょう。

国柱会賽主:田中壮谷



真世界巻頭言


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