2006年09月28日(木曜日)
火の如く信ずる人もあり。或いは水の如く信ずる人もあり。火の如くと申すは、聴聞する時は、燃え立つばかり思へども、遠ざかれば捨つる心あり。水の如くと申すは、いつも退せず信ずるなり。
(『上野殿御返事』)
平成16年は災いの多い年でした。国内では、台風がいくつも日本列島をわがもの顔にかけまわり、中越の大地震では多くの人が被災しました。海外ではスマトラ島沖大地震による津波で十数万人もの命が奪われました。これは天災によるものですが、世界各地では止むことなく戦争やテロ行為が続き、人殺しも当たり前の世相を映し出しています。まさに仏の説く末法の様相と言えます。
しかし、このような状況をただ憂えているのではなく、一日も早く平和な世界を回復するよう努めることが、私たち純正日蓮主義者の使命だと思います。
冒頭の日蓮聖人のお言葉は、私たちに信仰のあり方を教示されています。お釈迦様が説かれた法華経を信じる人は多くいますが、炎のように一時的なものではなく、水のようにいつも退くことなく持続して信じることの大切さが語られています。
このたび私は、本会の賽主職に就任いたしました。自分の信仰がどのようなものかを自問した時に、この日蓮聖人のお言葉が心に染み込んできたのです。若さのみに流されて火の信仰になってはいけない。潺々せんせんと流れてやまない水の如き信仰をと仰っている聖祖のご教示は、その通りに実践しなければならないと思います。
実践は継続を伴います。私は毎日正境大本尊にお給仕をさしあげ、恩師尊霊をはじめとして本会の先師先亡の諸霊位に護られ、世界の絶対平和を祈念いたします。信じて祈りを捧げることからの実践です。妙宗大霊廟の宝塔の側面には、「不惜身命 護持正法 如説修行 異体同心」と十六文字が刻まれています。今こそ、本会会員のみならず、全日蓮聖人門下が等しくその文字を心に刻み、行動をおこすべき時であると思うのです。
生かされている自分に気づくことの大切さや、その気づきを他の人にむける大切さを法華経は教えてくれます。はからずも今月十一日は日本建国の悦ばしい記念日です。遠い昔に法華経の説く正しい教えと合致した理想にもえて、神武天皇が建国を宣言されました。世界を一つの家に譬え、人類はすべて兄弟であると仰せられたのです。善き行いを実践するための国、それが日本国であり、私たち日本人はまさに絶対の善行を積まなければならないのです。世界中の模範国としての日本が今、必要とされています。
「妙とは蘇生の義なり」
本会は大きな転換期を迎えました。私は、信に生きそして行じてまいります。法華経や日蓮聖人の教えに導かれて、「純正日蓮主義」の活動に、同志各位とともに専念してまいりたいと思います。正しい日本国とするために。
国柱会賽主:田中壮谷