新型コロナウィルス禍に直面して

2020年04月01日(水曜日)

 いま、全人類の共通の課題が新型コロナウィルスといかに戦うかであります。今までに既に多くの方々が犠牲になられましたが、これから先どうなるのか、誰も確言できない状況です。各国がそれぞれに知恵を絞ってコロナウィルスの拡散を食い止めようと努力していますが拡がる一方です。グローバル化が進み人の交流も密になって、地球全体が一体化してきたこの時代にあって、いまだに国境によって区切られ、自国の安全のみを優先していることが大きな障害になっています。この全人類の共通の敵に立ち向かうに当たっては、地球全体が一丸となって、互いに協力し合うことが不可欠だと思います。いまや人種や宗教などにこだわって、同じ人間でありながら争っているときではありません。正確な情報を国境を越えて交換しあい、それぞれの智慧を出し合って、それぞれの地域に合った方策をめぐらすことが大切だと思います。
 それに加えて、いま我々が日々感じている恐怖を決して忘れないことが重要だと思います。幸いにして今回のこの禍を克服することができたとしても、今後もこれまでに存在しなかった未知のウイルスが出てくる可能性は誰しも否定できないでしょう。
 禍転じて福となすといったことわざがありますが、今回のこのコロナウィルス禍を機縁にして、世界が一体となって協力し合うことの大切さを学ぶことができればと願っています。人種や宗教を問わず、お互いに人の尊厳を尊び、互いに助け合う事こそ、コロナウィルスに打ち勝つ最良の手段ではないでしょうか。そのことを世界中の人々がしっかりと確認することができたなら、この度の多くの犠牲者も少しは救われるのではないかと思います。
 皆様それぞれに、とりわけ国に仕えている政府関係者、新薬開発に携わっている方々、そして景気が落ち込み窮地に立たされている経営者の方々等々、それぞれの立場にあって大変だと思いますが、共にがんばって乗り越えていきましょう。
 結びに、失敗も成功もなく続けるたゆまない勇気が何より必要であると私は思います。一日も早く安心な日々が戻ることを衷心よりお祈りいたします。
南無妙法蓮華経

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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