コロナ災禍でのお祈り

2020年08月31日(月曜日)

 去る8月15日、第75回目に当たる終戦記念日に、靖國神社に参拝し、護国英霊の御霊にお祈りを捧げてまいりました。この日は、みんなが社前に相集って、今上陛下のお言葉にありましたように、過去の反省を基に世界の平和を希求して祈りを捧げるべき重要な日であると私は考えております。
 とはいえ今年は、コロナ禍第二波の真っただ中です。参拝される方も非常に少ないのではないかと危惧しておりましたが、例年に比べて非常に多くの方々が参拝に訪れていて驚きました。昨今、神社仏閣に対する畏敬の念が薄れているという事を度々耳にし、私自身そのように感じておりましたが、多くの参拝者を目の当たりにして、心強く感じました。私の憶測にすぎませんが、今のこの様な状況にあって、国難に際して身を捧げた護国英霊の心に思いを馳せ、御霊に祈りを捧げて、一日も早くふだんの日常生活に戻れますようにとお祈りを捧げたのではないかと思います。
 八方ふさがりの今のこの状況にあっては、これまでのあり方では通用しない事態がおおく起こっています。この状況を、天から与えられた試練と受けとめ、自分達のこれまでの生活を洗いなおすよい機会が与えられたものとも考えられます。このような状況下では、皆の神経がいら立つような場面がしばしばおこりますが、なにごとにおいても、お互いに誠意をもって接し合うことが必要だと思います。昔の先人たちは言霊を強く意識していたと聞いていますが、今一度自身の生活を振り返り、この様な時だからこそ、発言する言葉の持つ重みをしっかりと認識することが必要だと思います。
 今月はお彼岸の月です。御先祖様の言霊と自分の言霊が交流しあう月とも言えます。今後の有り方を模索するには、御先祖様と言葉を交しあうことが最上の策かとも考えられます。その意味でも、供養などの大切さを今一度再認識する必要があると思います。現今の状況では、多くの方々が一堂に会して祈りを捧げるという訳にもいきませんが、お彼岸には、ご先祖様に挙ってご回向を捧げ、一日でも早くコロナ問題が終息する様に、共にお祈りを捧げましょう。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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