紀元節並びに天長節を迎えお慶びを申し上げます

2022年02月01日(火曜日)

 今月は我が国にとって大変意義深い月です。11日には紀元節、そして23日には天長節を迎えます。今上陛下におかれましては、世界を覆うコロナウイルスの再拡大に対し、我々国民はじめ世界人類の安寧を願ってご心労のご様子が報じられています。陛下に御心労をおかけすることのないように、一国民として、コロナ禍が一日でも早く終息することをただ願うばかりです。凡夫である私達が行えることは限られていますが、多少の不便さは我慢して、せめて拡大を鈍化させるために、皆で協力し合わなければと決意している次第です。
 仏教では業(ごう)やそれに対する報(ほう)といった考え方が重視されます。といっても、個人の幸不幸が前世の報いで決まるといった意味ではありません。業は行い、そして報はその結果を意味し、これからの世界も、個々人がどのように行うかによって決まるという考え方で、理にかなった行いこそが重要だと教えられています。コロナウイルスの拡大も個々人の正しい行いによってくい止めることができると思います。業については、共業と別業があると教わっています。共業は個々人の行いがその人以外の多くの人に影響を与える行いで、別業は行った人のみが影響を受けるような行為です。法華経は皆が揃って幸せになりましょうと説いており、そのことからも共業を重視します。コロナ禍はまさしく共業の問題であり、私達の信仰上の先輩宮澤賢治がいみじくも指摘したように、自分の幸せは全体の幸せを願うなかにのみあると思います。私達の唱えるお題目「南無妙法蓮華経」は、この様な法華経の教えに帰依することの表明に他ならないと私は理解しています。コロナ禍の問題も皆がこのことを自覚して、互いに協力し合うことによって解決されると思います。
 私達一人一人はそれぞれ様々な因縁によって、共業と自身の別業との重なりにおいて今があります。コロナの問題が、それぞれが抱える別業という潜在意識にどの様に働きかけるかは、未知数ではあります。しかし、禍を転じて福となす以外に我々の進む道はないのです。ですからコロナ禍も、私たちの唱えるお題目の力によって福に転じ、世界人類が共に平和な社会となることを希求して、共業の解決へと着地しなければなりません。
大聖人は釈尊が説かれた法華経の真の意味を我々に示してくださいました。
 くしくも今月は、15日に釈尊涅槃会、そして翌16日に聖祖降誕会を迎えます。私達が生を受ける事も決して容易い事ではありません。ましてや同じ法華経を信奉する私達同志の横のつながり、これも奇跡としか言えません。このことを踏まえて、私達の使命を心に刻み、共に強い信念を貫きましょう。
 「我々を活かす大の力それがお題目の力である」と、亡き大橋冨士子先生は口を開けば仰せでありました。因縁深いこの二月を共に喜び合い、法華経の大功徳を積んで、お釈迦さまと大聖人への報恩行といたしましょう。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷



真世界巻頭言


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