2012年03月09日(金曜日)
東日本大震災正当1周忌に当たり殉難の諸精霊位に対し奉り、菩提増進をお祈り申し上げますと共に、未だ様々な困難を強いられておられる被災者の方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。
あの大震災から早くも一年が過ぎようとしております。いつも時の経過の早さには驚かされるばかりですが、被災地に行って感じる事は、この地でも時間は同じ早さで過ぎ去っているにもかかわらず、時計が止まったままでいるかのように、復旧が一向に進まないままだという事です。私自身、ボランティアとして精一杯がんばってはいるものの、根本的なところは何も解決できず、無駄に時間を過ごしてしまっている事にしばしば強い自責の念にかられます。
時間の経過についていえば、人それぞれに異なってとらえられると思いますが、年齢によって流れの感じ方が大きく異なるようにも思います。私が幼稚園に通っていた頃のことを思い返しますと、その頃の私にとっての一年は、それこそ、本当に長い感じがしました。それも、その頃の日々の経験が、新しいことを身につける連続であり、充実した毎日を送っていたことによるものと思います。それにつけて思う事は、未だ復興できていない被災地の未成年の方々にとって、この過酷な経験が、それぞれののちの人生に与える影響は計り知れないものがあると思います。その意味からも、可能な限り速やかに平常の生活に戻れることを願わずにおられません。
私も微力ながら、これからも、何かのお役に立ちたく活動を続けていくつもりです。個人の力では、大きな成果は期待出来ませんが、一日でも早い復興を願って活動を続けていくことが今求められていると思います。些細な支援だからと引っ込み思案になっている方々がまだたくさんいるかと思います。些細であっても被災地の復興の為にこころを一つにすることが重要だと思います。被災して苦しんでいる方々が未だに多数おられることを心に刻み、ささやかではあっても継続的な活動を行っていくべきだと思います。法華経では、みんなと共に救われることを願って、共業の解決を説いています。被災者の方への支援は、単に困っている人を助けるといった意識ではなく、自分自身の問題ととらえてこのことに取り組むのが、法華経を信奉する我々にとっての責務であります。ともに頑張りましょう。
最後に再び東日本大震災殉難之諸精霊位に対して菩提増進を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経
国柱会賽主 田中壮谷