虔しんで大震災殉難諸霊位の御菩提増進を祈念申し上げます

2011年04月07日(木曜日)

 3月11日に突然襲いかかった大地震、そして大津波につきましては、多くの方が被災され、亡くなられ方や未だに行方不明の方が2万5千人に近いと報じられておりますが、殉難諸霊位に対しまして、虔しんで御菩提増進を祈念申し上げます。
 震災直後は震災地における被災状況の報道が主でしたが、時日を追って、交通機関の乱れ、生活必需品の流通ストップ、さらには原発事故による放射線の流出、電力不足等が加わり、広い範囲、しかも長期にわたっての影響が報じられるようになってきました。これにより最近は、直接被害に遭わなかった者から不平不満の声も出始めております。いまは全国民が協力してこの窮状をいかに乗り切るかを考えるべき時であり、個々人に関わることで不平不満をかこっている場合ではないと思います。被災地の方々は、つらくとも、命があったことに感謝して、一生懸命、互いに助け合ってがんばっておられるのですから、我々も精いっぱい努力して、支援に努めなければなりません。いろいろな施策に対して、どうするのが得策か、建設的な提言こそ必要ですが、不平不満の表明におわる批判は慎むべきだと思います。
 法華経に「当に知るべしこの処はすなわち道場なり」という言葉が書かれていますが、この度遭遇したこの試練も、われわれに与えられた修養の道場だと考え、今自分のできること、あるいは自分にしかできないことを見出して、ささやかなことでも実行にうつさなければなりません。
テレビの映像を通じて悲惨な状況をみていますと、自分の今ある環境がいかに恵まれているかを痛感させられ、思わず涙がこぼれ落ちますが、皆さまにおかれましても、被災地の方々のために、なにか実行可能なことを思いつかれましたら、われわれみんなにも御提案頂き、一緒に実行致しましょう。
 皆様もご存じのように、申孝園内には有料老人ホーム「申孝園ロータスヴィラ」があり、百名を超える御入居者の命を預かっております。当日は、全員を安全な妙宗大霊廟の前庭に避難誘導致しました。その際に、近隣の若い方々が、「あそこは老人の方々が大勢いるから、大変だから何か手伝ってきなさい、と親に言われて来ました。」といって助けに来てくれ、非常に心強く感じました。おかげを持ちまして、国柱会本部は、御本尊様、妙宗大霊廟始め総ての施設が無事だったことを、同志の皆さまにご報告申し上げます。しかし、いまだに安否の確認が取れていない同志の方々もおられ、心を傷めております。
国運の回復、そして被災地及び被災者の方々が一日も早く旧に復されますよう、仏典の御加護を心よりお祈り申し上げます。
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経

国柱会賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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