春のお彼岸を迎えるにあたって

2015年03月04日(水曜日)

 寒さ厳しい冬も過ぎ去り、だいぶ春めいてまいりました。毎年のことながら、この申孝園では、妙宗大霊廟を取り囲む池から、春の到来を告げるようにカエルの大合唱が聞かれるようになり、春のお彼岸を迎えるのも間近となりました。お彼岸には、今は亡きご先祖様が大勢で一堂に会されます。皆様におかれましても、心からの御回向を捧げましょう。
 皆様ご存知のように、妙行正軌に掲げられている回向文は、「願わくはこの功徳を以って普く一切に及ぼし、我らと衆生とみな共に仏道を成ぜん」といった言葉で結ばれています。この功徳とは、法華経の教えを自ら実践し他に弘めていくことだと思います。そして、この功徳によって、みんなが法華経の教えに浴して幸せになることが私達の願いです。私はいつもこの回向文を拝読するに当たって、「我ら」という言葉で私達国柱会会員全員を脳裏に浮かべ、「衆生と皆とも」にという言葉で、私自身の先祖を始めとして、皆様のご先祖様、そして、仏道増進を願い実践する一切衆生のことだと受け取っていますが、一切衆生といっても漠然としていますので、私にとって一番近い仏様である母を思い浮かべます。亡き母は、仏様の世界で仏道の増進に励んでいると思います。その母は、私の信行が増進し、常に仏の心であって欲しいと願っているに相違ありません。しかし、凡夫である私は、一日の間でも、イライラしてしまったりして、十界を行ったり来たりとしていますが、母の願いに応えて、実生活において可能な限り、仏様の心に近くなるように意識をして行かなくてはいけないとこころに誓っています。お釈迦様や大聖人の教えも、自分の一番近いご先祖様の願いと重ね合わせて理解すれば、身につまされる思いがします。この思いがよりよい生活を送るきっかけとなれば、これが本当の報恩行と言ってよいでしょう。
 今月のお彼岸の供養会においては、みんなで一緒に祈りを捧げ、報恩の誠を尽くす誓いの日としましょう。一人でも多くの方々のご参拝をお待ち致しております。

国柱会霊廟賽主 田中壮谷




真世界巻頭言


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