国と法との誕生月を迎えて

2010年02月26日(金曜日)

今月は、2月11日に祖国の誕生日である紀元節を迎え。そして2月16日は、正法を建立された大聖人のお誕生日であります。仏教では、一に父母の恩、二に国土・国主の恩、三に一切衆生の恩、四には三宝(仏法僧)の恩、といった四恩に報いることが大切であると説かれていますが、国と法との誕生月を迎えるに当たって、どのようにすればこれらの四恩に報いることができるか、真剣に考えなければならないと思います。
 先日友人に、国に対する報恩が大事ではないかと話しかけたところ、国に対してはちゃんと税金を払っており、その税金に見合ったサービスを得ているのだから、なにも恩義を感じることはないじゃないか、といった答えが返ってきました。この友人にとって、国が自分自身とは別の第三者として捉えられているように思えて驚きました。この国は、私達の先祖が営々と作り上げてきたものであり、その結果として現在があって、未来は私達自身が築いていかなければならないと思います。紀元節は、この国の始源そして現代につながる長い歴史に思いを馳せ、私達が現在ここに存在していること自体に感謝し、その恩に報いることを誓う日にしたいと思います。
 何かを実行しようとしてうまくいかないとき、つい、他人や国や社会のせいにしたり、あるいは、「自分は他人よりも運が悪い」と嘆いたりしがちです。このような場合、大抵は、自分中心の考えにとらわれ、ものを客観的にみることができなくなっているのではないかと思います。うまくいかないときには、まず自分の努力不足を反省するべきです。それを認めたくないためにいろいろ理屈を探しているように思えます。つらくても、まず自分の努力が足りなかったからではないかと、冷静に自分を見つめることが必要です。かりに他人や社会のせいだとしても、それでは他人や社会が良くなっていくにはどうすればよいか、これを考える努力も必要なのではないでしょうか。国全体を自分の身内として捉え、自分も参加しながらそのあり方を考えること、これが国に対する報恩の近道だと思います。報恩行は、自分自身の慶びを積み重ねるための第一歩ではないかと考えています。




真世界巻頭言


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